心感デッサン
2018.09.04 17:06
『荒波日和』
波打つ緑のトンネル この段は
生命が息づく輪廻の坂道
うねる激しい風は去年の枯れ葉と
新緑の葉をシンクロさせて
どれも同じように空へ吹き飛ばしていった
こんなに爽やかな朝風なのだ
蝉さえ季節を誤解して静まりかえった
風鳴りが遠くに響く どうどうと
ホームのヒトも仄かに頬笑んでいる
線路に生えている強い夏草に惹かれた
こんなに風が荒れるもので
空の肉厚な夏雲も 筆で描いたスッと一筋のいわし雲へと 変わったのだ
虫も飛ばず 鳩も飛ばず ゴミは飛んで 運
命が変わる事を知ってか知らずか
本のページはめくれ 心の鍵も外れ
なんという日だ 今日は魂の行き来が速い
しっかりまなこを開けて 此の光を見なければ
あの時の黒い人がうなだれていた
水はぬるいけど 僕の血は涼しかった
こんな日は汗も吹き出ない
おかしな緊迫 さすらい人に捧ぐ
無数のトンボ飛ぶ複眼レンズで
宝物のありかを探している
答えはたなびく青いビニールシートの
波の下に
雨の気配ひとつしない突風で
憂鬱も湿気も混ざって飛んでいくそんな息づく日