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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

第8回十字軍6-イギリス議会の始まり

2018.09.04 11:19

ルイ9世のヨーロッパの平和も綻びが出てきた。英国の平和は長続きせず、1263年シモン・ド・モンフォールらは再び挙兵し、ロンドンを制圧。ここに第二次バロン戦争が勃発した。シモンは翌64年には王ヘンリー3世、王子エドワードを捕虜にし、実質イングランドの支配者となる。

シモンは議会を招集し、政治改革を行おうとした。この議会は貴族以外の騎士や都市市民代表をも召集し、イギリス下院の祖とされている。しかしまあやはり王がいない議会というのは収まりがつかない。シモンは新しい王になりたがっているという疑惑を生んだ。

王子エドワードが監禁から脱走すると、諸侯は王子のもとに集まり、今度は王軍が優勢となった。65年イーブシャムの戦いでシモンは敗れ死んだ。この戦いでは改革派は許されず殺害されたとされている。ヘンリー3世は再び王権を取り戻し今度こそ改革案を反故にした。

しかしシモンの議会は、次期王エドワード1世のときに実現され、ギクシャクしながらも平民も参加する議会が行われることとなる。シモンはイギリス民主主義の英雄とされ、今も尊敬を集めている.。

下はレスター時計台のシモン像