メカブロエンドロール絵解説
メカブロのエンドロールでこれまでの一枚絵のスライドショーの後にその後のみんなを描いた絵たちを載せたのですが、これってどういうこと? ということを忘れないうちに書いておきたいと思います。早い話、異変解決後のみんなの人生がどうなったかっていうお話。順番はエンドロールの通りです。
全体の共通事項として、エンドロール絵の時間軸はクレールが番になってから(異変解決後から)5年後くらいを想定しています。ちょうど最終話でクリスタとグラシアが話してたあたり。クリスタとグラシア、クレールとロガーナがエンドロール絵でいなかったのは本編で既に彼女たちの“その後”が一枚絵として出てきていたからです。
と、その前に、どこに書くか迷ったのですがエンドロール繋がりでここに書いておきます。「【出演】に書いてあった女神の隷と竜の隷のところのルキとミサリヤーって誰?」と思われたかもしれませんが、18話のヒイラの回想で登場した「??」と「?????」の二人のことです(↓の画像参照)。どちらも男性。ちなみにルキという名前自体は26話でヒイラが今までの女神の隷の名前を挙げているときに出てきています。
要するにイリスの前世がルキでヒイラの前世がミサリヤーです。番になった順番に並べると、ルキ(女神の隷)→ミサリヤー(竜の隷)→イリス(女神の隷)→ヒイラ(竜の隷)→クレール(女神の隷)という感じになります。補足は以上となります。
~ここからエンドロール絵解説~
・クリスタ・ブラント
異変解決後、最終試験を突破し一人前の黄薔薇兵に。セレブレストラの平和のために薔薇兵として働きつつ、なんだかんだ強かに生きている。アンニェリカやカタリーナの言葉を受けて「いっぺん本気でぶつかってみるか」と隊長試験に臨んだ結果、黄薔薇の副隊長に任命された。隊長じゃないことに多少の悔しさはあるものの、これもまた運命なのかなと与えられた責務をしっかりこなしている。
・グラシア・バロレン
異変解決後、最終試験を突破し一人前の白薔薇兵に。しばらく平の薔薇兵として努力を重ねる。副隊長のポストが空いたとき、訓練生代表を務めていたこともあってかその人望と頑張りを認められ(&隊長試験の結果も良かったので)推薦を受けて副隊長になった。その翌年に隊長に昇進。白薔薇を背負って立つ者として日々奮闘している。訓練生たちの「憧れの薔薇兵」に挙げられることもしばしば。
・リゼット・ジェルヴェーズ
異変解決後、“加護”が消失するまで薔薇兵を続ける。最終的には青薔薇部隊隊長を務めた。ちなみに隊長に昇進が決まった日に母親及びノエルの墓前に報告に行ったとか。その後、ガーデンを退職しジェルヴェーズ社で父親である社長の元で勉強と経験を積んでいる。また、兄テオバルトの失踪(実際は違うがセレブレストラ側では失踪扱い)以来空席となっていた次期当主の座を正式に継ぐことになった。
・カタリーナ・レンストランド
異変解決後、“加護”が消失しガーデンを退職。その後、薔薇兵の経験を通じて感じた「未来ある人の支えになりたい」という思いを胸に教師になることを目指して大学に編入学する。現在は新米教師として首都の学校で働いており、「丁寧にお話しを聞いてくれる先生」と子供たちから慕われている。でも叱るときはちゃんと厳しい。まだまだ仕事に不慣れなこともあり苦労することも多いが、黄薔薇で頑張った経験が支えになっているという。
・ヴァルトルーデ・ベッカー
異変解決後、治療とリハビリを経て両親の経営する病院の手伝いをする傍ら、自らも医者になるべく大学に通い勉強を重ねる。現在は実家の病院で研修生として働いている。カタリーナやウォルトとたまに会っては人生相談をしたりされたりしているらしい。また、新たな趣味としてセレブレストラ史についての文献を読んだり史跡や石碑を辿ったりすることが休日の楽しみとなった。きっかけはルッツがお見舞いのときに持ってきてくれた本。ところでヴァルちゃん、ウォルト君とは何か進展あった? ……へーぇ? よかったじゃん!
・フェリシー・マリエット
異変解決後、“加護”が消失するまで薔薇兵を続ける。その後、ガーデンを退職。異変の中で家族や友人を亡くし精神的に不安定になる人々を目の当たりにし、「いくら物理的に怪我を治せたとしても心の傷は簡単には治らない」ということを痛感。人には心の支えとなるものが必要だと判断し、その選択肢の一つとしての“女神への信仰”を広めるためにシスターになる。現在は教会が運営する孤児院で住み込みで働きつつ日々を過ごしている。事情があり教会に足を運べない人のために出張して悩みの相談に乗ったり、共に祈りを捧げたりといった活動もしている。
・アンニェリカ・リンデロート
異変解決後、“加護”が消失するまで薔薇兵を続ける。その後、アリアーナから推薦を受けガーデン附属研究所の研究員として働くことに。装備品に関してはガーデンがジェルヴェーズ社と研究協力提携を結んでいるため、ジェルヴェーズ社に出向くこともあるという。また、かねてより想いを寄せていた幼馴染のロドニーと婚約した。おめでとうございます。現在は彼と同棲中。全自動家事代行マシーンを作ろうとしたら試作機の段階で家の中が大変なことになった。でもロドニーは笑って許したそうです。さすがに反省したので家事は二人でちゃんとやろうねって話になった。
・ロドニー・クールソン
異変解決後、“加護”が消失するまで薔薇兵を続ける。最終的な肩書は赤薔薇部隊隊長。その後、一市民として勤勉に働いている。命を落とす危険がほとんどなく安定した収入を得る手段を確立できた(&薔薇兵時代からの貯金もあった)ため、アンニェリカと婚約した。おめでとうございます。現在は彼女と同棲中。よく趣味の発明計画を立てながら寝落ちしてしまうアンニェリカをお世話する幸せな毎日を過ごしている。
・ウォルト・クーネンフェルス
異変解決後、“加護”が消失。ガーデンに残り、総司令部幹部候補生として引き続きセレブレストラの平和を守るための業務に携わる。兄であるルッツとの仲は依然としてそれほど良くはないが、あからさまに対抗心を態度に出すことはほとんどなくなった。彼から「ヴァルトルーデとは上手く行ってるのか」と聞かれ返答に窮したところ応援の言葉が返ってきて面食らったとか。
・リーセロット・クルース
異変解決後、“加護”が消失するまで薔薇兵を続ける。その後、ガーデンの情報部職員への道を勧められたため現在はその職に就いている。顔の傷を隠し続ける理由ももうないだろうということで髪型を変えた。また、フェリシーがシスターとなって家を出たため一人暮らしをすることになった。情報部で働き始めてから数年後に黒薔薇兵時代に自分を慕っていたミラベルもたまたま同じ職場で働くことになり、「あの子がいると調子が狂う」とたまに同僚にぼやいている。
・ミラベル・ベケット
異変解決後、“加護”が消失するまで薔薇兵を続ける。その後、大学に編入学することも考えたものの黒薔薇で培った経験を活かしたいと考え、試験を突破しガーデン情報部職員となった。偶然ながらもリーセロットとまた同じ職場で仕事ができることをとても嬉しく感じている(あくまで自分の判断で情報部職員を志望したのであってリーセロットを追ってきたわけではない)。なお、リーセロットには登庁初日に「また会ってしまった」という顔をされたようだが二人で楽しそうにランチをとる姿が目撃されているなど、彼女のミラベルに対する態度は幾らか軟化しているらしい。
・ユリース・ベルチエ
異変解決後、薔薇兵としてさらに実力を磨いていき、赤薔薇部隊副隊長を経てウォルト、ロドニーに次いで赤薔薇部隊隊長になる。薔薇兵になりたての頃に持っていた化け物に対する鋭い憎悪は相変わらずだが、その感情に言動や思考が振り回されることはなくなった。彼に憧れたある人から告白されたときに「もう心に決めた人がいる」と断ったため、“心に決めた人”を友人たちに詮索されることになったが「お前らの知らない人」以上のことは言わなかったらしい。
・クラリス・デュシュネ
異変解決後、“加護”が消失するまで薔薇兵を続ける。その後、総司令部幹部候補生になることを周囲から勧められたが本人は「現場で直接人助けがしたい」と言って断り、現在は一般兵として治安維持と薔薇兵のサポートを担っている。普段は温厚で人当りがよいが、ひとたび化け物が出現し人々の避難誘導を行うときはてきぱきと指示を出す頼もしい一面を見せる。規律の範囲内で薔薇兵と共に化け物駆除にあたることもあるが、その鮮やかな立ち振る舞いに他の一般兵から「この人は只者ではない」と認識を改められることもよくあるとか。
・クイーン(ニーカ・セレブレストラ)
異変解決後、セレブレストラ各地の復興の指導を行う。一旦復興が落ち着いたころに婚約者のとある名家の子息と正式に結婚。娘を設ける。国を治める女王としてのみならず、我が子を持つ一人の母親としてもセレブレストラを守り続けてみせるという決意を胸に日々の政を担っている。最近の娘ちゃんは青薔薇のお姉さんに作ってもらった青薔薇の髪飾りがお気に入りらしく、よく身に着けている。
余談。メカブロ続編では娘ちゃんはリゼットの息子と恋仲(という構想がある)。余談おしまい。
・王(テオバルト・カーセルベレス)
カーセルベレスの復興を引き続き進めると共に、庭師の育成のためにセレブレストラの薔薇兵育成制度を参考にしつつ庭師養成機関の設置計画を指導。また、自身の持つローズギアや歪みに関する知識を活かして血鋏の改良や毒花に対するより有効な手段の模索を行う。
・トワリ・ロイ
“加護”の消失まで王宮専属庭師としての仕事を続けていた。現在はメアノと共に庭師の育成にあたっているほか、王の右腕、執政補佐官として王の治世を支えている。情報通なのは相変わらずで、神の宮で囁かれる良からぬ噂話や陰謀や密談の類は彼のせいで3日以内には王の耳に入るとかなんとか。もちろんその能力は民の声を聴くことにも使っている。メアノへの隠れた過保護気味な愛情は健在。多忙な彼女をよく心配しているが、メアノには「トワも十分忙しいんだからもっと自分のことも心配してよ」と思われているのは内緒。
・メアノ・シェノル
“加護”の消失まで王宮専属庭師としての仕事を続けていた。現在はトワリと共に庭師の育成にあたっているほか、血鋏の機能向上などの研究を進めている。一方で神聖なものへの信仰心も強く抱いており、研究が一段落すると荒廃した各地の教会を周って修復の手伝いをしている。同時に、立ち寄った場所の子供たちに読み書きを教えるといった活動もしているなど、かなり多忙ではあるが充実した日々を送っている模様。目下の悩みは「この前ある人にお付き合いを申し込まれた」とトワリに話したときのトワリの顔が忘れられないこと。仕事中に思い出して笑ってしまうらしい。ちなみにその告白は断ったとのこと。
・エリアス
ヒイラの死亡後、形見として受け取ったリボン(髪留め用)をロガーナに頼んで角に結んでもらった。そうして常にそれを身に着け、神竜の宮殿の奥で静かにカーセルベレスを見守りながら新たな器を得た竜の隷(=ヒイラの転生後)が神竜の宮殿に戻ってくる日を待ち続けている。
・ロガーナ
自らの隷であるクレールが番を継いだ後も、変わらず恩寵の女神としてセレブレストラを見守る役目を務めている。帰る場所も家族も失ったクレールにとっての居場所になるようにと庭園で花の世話をしたり、いつでもお茶会が開けるように準備している。もうクレールに隠し事をする必要も素っ気なく対応する必要もなくなったため、導く存在としてクレールを支えつつも時には甘やかしたり冗談を言ったりとクレールにとっての良き理解者となっている。
・クレール
番となる運命を受け入れ異変を収束させる。その後、彼女に関する名や容姿といった具体的な記憶は世界中の人々から消え、「金の瞳の救世主」という形で語り継がれることになる。家族や友人もいなくなった(変わらず生きてはいるが彼らはクレールのことを覚えていないし、そもそも最初からクレール・ベロムという存在がなかったことになっている)ため、女神の庭園が帰るべき場所となった。セレブレストラとカーセルベレスを行き来しては人目を忍んで化け物や毒花を狩りつつ、世界を繋ぎとめその均衡を保つ役目を果たしている。仕事が一段落するとロガーナの元に帰ってきて彼女とお菓子を食べながら様々な話をしている。
エンドロール手前のロガーナとの会話の場面は異変解決から数百年の時間が経過しているが、姿は17歳のまま変わっておらず、持ち前の楽観的な性格もそのまま。しかし人間ではあり得ない長い時間を生きたことに加えて自分及び周囲の変化に思うところがあるのか、言葉遣いや考え方、ものの見方はいくらか達観したものになった。
いつか約束を交わした人と再び会うその日まで、彼女は世界の希望として今日も剣を片手に世界の調和を守っている。
あとがき+おまけ文章はこちら→https://suzumotimoti.amebaownd.com/posts/46548075