2023.12 霧生 まどか 個展 『 (un) beautiful 』
『 you are beautiful Ⅴ 』(2023)
2023年12月に当ギャラリーにて版画家 霧生まどかさんの個展を開催致します。
どんなに美しいものも時間の経過と共に傷を重ね、いつかは美しさを失う瞬間を迎えます。
しかしその傷痕も含め、在り続けようとする姿はとても強く尊いものです。
傷つくことを受け入れた孤独の物語を是非ご高覧頂きたく存じます。
※正式タイトルは「beautiful」(beautifulに取り消し線)となります。
タイトルブロックにおいて取り消し線が使用できない為「(un) beautiful」と表記しております。
展示会情報
会期:2023.12.21(木) ~ 12.25(月) ※5日間の開催です
時間:13:00 ~ 18:30(最終日は17:00まで)
会場:gallery hydrangea(東京 曳舟) Access
音楽:kosaka to-ru(https://ksk-03.wixsite.com/kosaka-to-ru)
入場無料
展示コンセプト
美しくはない物語が誰も手の届かない場所で続いている。
私は存在しているものたちが、
例えばその形を保ちきれず美しい状態ではなくなったとしても
在り続けようとするその姿を豊かで尊いものだと感じています。
美しいことが正しいのではなく
美しくないことが悪いのではなく
どんな姿の在り方もただそこに在るだけです。
自分のためだけに傷つくことのできる安心できる小さな孤独の物語を作りました。
作家プロフィール
版画家 霧生 まどか / Madoka KIRYU
私は痛みの在り方について作品を作っています。
痛みを表すアイコンとして絆創膏を用いています。
絆創膏は一般的に傷を癒す、治すといったイメージがあると同時に私にとって深く繋がりを持ったモチーフなので登場させています。
痛みというのは誰も知らないような小さな物語で、とても個人的なものです。
だけど、自分にとっては、或いは誰かにとっては側に在り続けてしまうものです。
私はその繰り返し傷つきながらも癒した自身の中に痛みを内包している、その姿はとても大事な存在で尊いことだと思います。
痛みを負った者は永遠に苦しみを印象付けるかと聞かれると、そうかもしれないし失くしたい過去になるでしょう。
ただ今まで苦しみながらも在り続けようとしたことを私はなかったことにはしたくないし、残していきたいと思っています。
《技法について》
制作は主にリトグラフによって行われています。
リトグラフは版の特性上、どんなに描いても重ね合わせても物質はプレスすることで全てが均一化してしまいます。
それは手を伸ばしても得ることのできない渇望に似ています。
同時に誰の手も届かない場所を作っています。
私の手から離れたところで境界が自然にできて、物質的な体験を美化も風化もさせることなく物語として紡ぐことできます。
遠くにある物語を見つめている視線を体現できる重要なプロセスだと感じています。
経歴
1991 東京都生まれ
2014 多摩美術大学美術学部絵画学科版画専攻 卒業
2016 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程絵画専攻版画研究領域 修了
現在 一般社団法人日本版画協会 会員 版画学会 会員
《展示》
2019年 2ND INTERNATIONAL TRIENNIAL OF LITHOGRAPHY LITHO KIELCE 2018/19(Galeria Sztuki Współczesnej /Poland)
2019年 Mini Maxi Print Berlin 2019(Galleri Heike Arndt DK/Germany、Denmark)(‘22)
2020年 NEXT HANGA GENERATON 明日の星たち stage.2(日本橋髙島屋S.C美術画廊/東京)
2022年 個展「神さまの産毛」(小杉画廊/神奈川)
2023年 Solo exhibition Kiryu Madoka 「ABOUT YOU」(Galerie Stoetzel-Tiedt /Germany)
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《受賞》
2014年 第9回高知国際版画トリエンナーレ 佳作(‘20 佳作)
守谷育英会 修学奨励賞
2015年 東京国際ミニプリント・トリエンナーレ 美術館賞
第83回 日本版画協会記念版画展 日本版画協会賞(‘17準会員佳作賞 ‘19 準会員最優秀賞 ‘21年準会員賞)
第40回大学版画展 収蔵賞
2017年 アワガミ国際ミニプリント展2017 審査員 小林敬生賞
2019年 第19回南島原市セミナリヨ現代版画展 NBC長崎放送賞
2022年 FACE2023 野口玲一審査員特別賞
2023年 VI Mini Print Cantabria Honorary Award Outstanding Work2
《収蔵》
多摩美術大学(東京)
多摩美術大学美術館(東京)
町田市立国際版画美術館(東京)
参考作品『 13年目の瞼 』(2022)
参考作品『 奴隷巡り 』(2015)
楽曲アーティスト
作曲家 kosaka to-tu / 小坂 透
距離と関係性を主なテーマに制作する。
作品の範囲を物自体で完結させず、会場にもうけたルールや音などと関係させ、空間全体に広げて捉えている。
また2019年より、同居人と「生活ユニットもみのき」を結成。
生活をしながら、ひとりとふたりの中間の距離感で、何かを一緒につくろうとする。
会場にて新作アルバムを展示致します。
new album『ピューの話』
¥1,200 24分 / 8曲
1.『2hour』
2.『Puch And Education』
3.『石たち』
4.『are you busy tonight?』
5.『入水』
6.『ふすまのある寝室』
7.『平皿のスープ』
8.『ok_』
以上、
皆様のご来廊を心よりお待ち申し上げております。