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青いシジミの国

2018.09.07 08:54

 善福寺緑地公園で一番一般的な、植物と言えば、カタバミでしょう。これを食草にする、ヤマトシジミは、発生の終期に入っている。

 今年は、春先、あまり見かけず、秋になって、目立つようになった。ルリシジミ類で、最も一般的に見えるのが、本種であり近縁のシルビアシジミは希種であるが、広く分布する。他に、ミヤマシジミが近縁だが、多摩川の上流にも分布する。


 採集したミヤマシジミは、日光の大谷川の下流の、カントリークラブの敷地や河原で普通に見られ、他種と見間違うことは無い。

 後翅の裏面の縁の黒点内に、水色の点がアクセントのように入っているのが、特徴で、シジミチョウ類ではこの種だけが持つ妙な特徴だ。色を濃くすれば、カラフトルリシジミにも似ている。山地の河原にいる、シジミであまり人気がないので、ここで揚げておいたが、

あまり意味はない蝶でもある。開けた河原の住人でもあり、産地でも密度は低い。カントリークラブで見つけて、河原へ。ここの大谷川の河原では、見つけやすく、碧いシジミは全部本種である。

 青いシジミは、スギタニルリシジミ、アサマシジミ、ウラナミシジミ、ヒメシジミ、は採集したが、オオルリシジミ、は長野の姨捨駅前の麦畑にいるらしいとう情報が、本州での分布は、東北から、長野まで小さな産地が続くが、本州の亜種は、ほぼ絶滅、九州の白水村では保護されている。

 不吉な蝶と言われるが、ラテン名は「巫女シジミ」となっている。浅間山の鬼押し出しや、蓼科で探したが、みつからない。密度は低いが、会津盆地にも分布していた。火山性の草原のクララの花を食草にする。大きい青いシジミはオオゴマシジミがあげられるが、本種も大きいので、同じ青でも美しく見える。

 藤岡知夫氏は、日本を「青いケシの国」と言っていたが、確かに青いシジミは多い。


 鱗粉の色彩の化学的な構造は興味があるが、色彩によって、例えば青いシジミチョウの青の化学的な構造は同じはずだ。多分、金属基が同じであるように思う。

 アトカラの貴、赤、白、青は、単に金属基の差ではないかと思うのだが。食草の化学ではないと思う。立体的な構造も重要だが、進化論的には簡単に鱗粉の色は変わってしまうように見える。

 鉱物の、コランダムは、サファイヤのblue、ルビーのred、エメラルドのgreenだが、これは金属基の性らしい。但し、簡単に置き換わるものでもなく、結構、化学的には複雑だ。今森林の代表的な色は、茶だが、これは嘗て、違う色だったこともあるらしい。恐竜に色が付いていたという説もある。

 鳥の色彩と蝶の色彩は、別のモノだと言える。