かゆいところを引っかくのは「ご褒美」でそれがだんだん強くなる。じゃあ、かゆくないところをかいたらどうなる?
かゆいところを引っかくのは「ご褒美」でそれがだんだん強く。じゃあ、かゆくないところをかいたらどうなる?
「かゆみ」の論文を読むと出てくるのが「ひっかくと気持ちがいい」というもの。
それが脳ではどのように認識されているのか?
Scratching-induced pleasurability significantly activated the reward system in the chronic itch and healthy groups, confirming that this reward system has a crucial role in scratching-induced pleasurability. A higher activity during scratching in chronic itch patients, versus healthy controls, was noted in brain regions related to motor control and motivation to act, including the supplementary motor area, premotor cortex, primary motor cortex, and midcingulate cortex, as well as the caudate nucleus involved in the reward system. This overactivity may be associated with the addictive scratching and/or neural hypersensitization.(1)
和訳と要約
「かゆいところをかくことで得られる快楽は慢性的にかゆみを感じている人たちと健常者の両方が報酬として認識している。
ただ、脳の活動は慢性的に悩んでいる人の方がより反応している。この過剰な脳活動がひっかきたいという習慣性を強めている可能性がある。」
かゆいところをかくと、誰でも気持ちがいい。
ただ、長いこと「かゆみ」に悩んでいる人の方が脳は活発に反応した。
報酬の度合いが強くなるので、よりかきたくなる。
じゃあ、かゆくないところをかいたらどうなるのか。
Pleasantness was evoked by scratching the wrists where itch stimuli were applied, while scratching the dorsal forearms, far from itch stimuli, did not evoke pleasantness.(2)
和訳と要約
「かゆみを感じた手首をかいたら快楽を得られたが、かゆみ刺激の遠くをかいても快楽を得られなかった。」
かいたら気持ちがいいわけじゃなく。
かゆいところをかいたら気持ちがいい。
かゆいところは、またかゆくなります。
同じ場所をだんだん強くかいてしまう。
肌が荒れるってわかっていてもまたかいてしまう。
最初はご褒美だったのが、だんだんと我慢との戦いになる。
これがかゆみのつらいところです。
今回引用した論文
(1)Scratching Induces Overactivity in Motor-Related Regions and Reward System in Chronic Itch Patients.(海外論文サイトへ飛びます)
日本語題:掻痒は、慢性痒み患者の運動関連領域および報酬システムにおける過活動を誘発する。
著者:Mochizuki H, Papoiu ADP, Nattkemper LA, Lin AC, Kraft RA, Coghill RC, Yosipovitch G.
(2)The cerebral representation of scratching-induced pleasantness.(海外論文サイトへ飛びます)
日本語題:引っ掻き誘発性の快感の脳の反応
著者:Mochizuki H, Tanaka S, Morita T, Wasaka T, Sadato N, Kakigi R.