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あさかみ まきこ

あめふり絵本ができるまで

2018.09.19 22:29

いよいよ来週はじまります、絵本展

『ぼくらは4人の絵本屋さん〜原画あり〼〜』




自分の絵本ができる。


その実感が湧かないままに制作を進めてきましたが、先日ついに最終の原稿チェックも終え、あとは完成を待つのみとなりました。




今日は、制作が決まってから今日までの絵本作りの舞台裏をご紹介したいと思います。




時間がない方のために、まずはまとめ!


【絵本作りでわたしがやったこと】

1. 伝えたいメッセージを決める

2. ママや保育士さんに話を聞く

3. 物語を作る

4. 挿絵を描く

5. 後書きを描く

6. 印刷会社さんに提出する

7. 原稿のチェック→製本




では、ひとつずつ説明します(*^^*)


1.  伝えたいメッセージを決める

物語の作り方は人によるかなと思います。

わたしの場合「気持ちを絵にまとめる」描き方が多いので、まず伝えたいメッセージを決め、そこから物語を作ることに。


今回の絵本では、


生きてたら色々あるけれど、どんなに最悪に思える時でも、視点を変えたら幸せはすぐそこにあるよ


そんなメッセージを選びました。



2.ママや保育士さんに話を聞く

こどものことを1番近くで見ているママ達にも、事前にお話を聞きました!


その時、みんな揃って口にされたのが

「何歳に向けて描くの?」

という問いでした。


子供は、成長に合わせて好きな絵本が変わります。

小さな赤ちゃんは絵も字もシンプルにくり返すような絵本を好み、だんだん物語のあるお話もわくわく楽しめるようになります。


聞けば納得!なのですが、盲点だったので尋ねられた時はハッとしました。


そうして物語がぼんやり浮かんだ頃、子供のスペシャリスト、保育士さん達にもお話をうかがいました!


子供は雨だと不機嫌になりやすいことや、絵本に起承転結がないとすぐ飽きてしまうことなどを教わり


起承転結のある雨の日の物語を、5〜6歳向けに描く!


と決めました。



3. 物語を作る

物語ができたら、ページごとに挿絵のイメージを決め、文章にしていきます。


いつもやっている、気持ちを要約して「まとめる」描き方ではなく、その真逆の物語を「拡げて」描く慣れない作業に苦戦しつつ、なんとか満足のいく形にできました。



4. 挿絵を描く

挿絵を描き込んでいきます。

この時期は、沢山の絵がちいさな部屋(5畳) いっぱいに並んでいました。


絵の具も使ったので、1枚を途中まで描いたら乾かす間に次、というように10数枚の挿絵を同時に描いていきました。



5. 後書きを描く

これは、あってもなくても良いと思います。後書きなしに、物語で語るのもかっこいいなと思います。


今回は、作品に込めた想いや、絵本ができるまで支えてくれた方々への感謝を残したいなと、お願いして書かせてもらいました。



6. 印刷会社さんに提出する

原画と文章を印刷会社さんに提出し、原稿に起こしていただきます。



7. 原稿のチェック→製本

作っていただいた原稿をチェックします!


絵と文章が一緒にプリントされているのを見て、少しだけ絵本ができる実感が湧きはじめた頃。

「原稿って言葉、かっこいい!」

とひそかに興奮しておりました。


絵の色味や、文章の書体、文字サイズやその配置を修正していくこの過程では、絵本の印刷を担当してくださる【印刷ラボフクオカ】さんに沢山のわがままを聞いていただきました。


嫌な顔ひとつせず素敵に仕上げていただけて、いまは製本された絵本を見られるのがただただ楽しみです。




ずっと夢に描きながら、自分のなかではまったく現実味のなかった絵本作り。

でもそれは、本当はまったく非現実的なんかじゃなく、ただ、絵が好きで描いてきた、日常のその先にありました。


それを知るきっかけをくれた絵本展主催者のぴんちょここさん、絵本製作をしてくださる印刷ラボフクオカさん、いつも支えてくれる家族や友人達に深く感謝しています。