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Baby教室シオ

提案『黙読の薦め』

2023.11.27 00:00

素読、音読、朗読と子育てサジェスチョンの提案として毎週月曜に記事をアップしてまいりましたが、今回は『黙読』について記事をアップしてまいります。

黙読とは文字通り目で読むことを指しますが単に目で読んで終わりというものではありません。目で読んで内容を理解するというところに着地しなければならないのです。なぜなら子供達が成長する段階においてどうしても黙読しなければならない時間があります。本来は子供達が本の内容を理解するのに一番良い方法は音読ですが、声に出して読んではいけない場所やテストなどの条件下では黙読をせざる得ないのです。

しかし文字を読めるようになったばかりで黙読をすると字面だけを目で追いその内容が頭に入ってこないという状況が生まれます。年齢が低ければ低いほど黙読を拒む場合もあります。このような状況が生まれないようにするためには音読の成果をあげつつ黙読に移行し、その精度を上げなければなりません。ではどのように精度を上げていくのかを読解力の獲得する方法についても記してまいります。



1、単語を拾い上げる

単語を拾い上げその意味を知ることは文章を読むにあたっては当然のこと。知らない言葉をまずチェックしてその意味を理解します。あまりにも知らない言葉が多い場合には読む気が削がれてしまうため、幼い頃からの名詞のインプットやその他の語句語彙の獲得と絵本・本・図鑑・辞書などを多く取り入れた環境を整えるのが肝要です。



2、語句や語彙を拾い上げ繋げる。

一つ一つの言葉の意味を理解した上で語句や語彙を拾い上げて文章の意味を理解することに繋げなければなりません。音読で文章理解をしてきた子供にとり文字だけを目で追い文章の理解を進めることは容易なことではありません。よって少しずつ目から入った文字の情報をイメージする力に変えて理解できるように進めていきます。



3、文字情報を音のイメージに変換後、黙読に繋げる

絵本の読み聞かせや音読を通して文章の内容を理解していた子供にいきなり黙読で内容を理解しなさいというのは無理な話です。先ず声に出して読む音読をベースにイメージを広げて文字を拾い黙読を進めます。音読から出てくる言葉の印象をイメージ化して内容を理解できるように音読と黙読を交互に行います。この読み方を繰り返すと音で得た情報を黙読した際に情景や光景としてイメージしやすくなります。そして音読の回数を減らし黙読を多めに繰り返すことにより黙読の成果を上げていきます。



4、目で読んだ文字を直接イメージする

3での音読と黙読を交互に繰り返すように練習し黙読の成果を上げたら、文字を目で追いながら黙読をし直接文章の意味を理解するように読み進めます。音読なしで黙読のみを行うこの方法のときには文字の並び(行)に指を当てながら読んでいきます。黙読は目から文字を拾い上げて頭の中で繋げながら文章の意味を理解するように作品の深い主題を探り当てていきます。想像しながら読むことがなりより重要となるのが黙読です。たくさんの作品を読んでおけばこの想像力は豊かなものとなり、黙読で想像の翼を広げてより深い解釈をすることができます。私は先ず長い作品ではなく先ず即解釈が難しい詩などを黙読させ、その内容を簡単な線画きのイラストに変換する方法で文字からイラスト起こしを行いイメージ力を育てることを行いました。物語などよりも文章量が少ない詩・俳句・短歌などは情景が目に浮かびやすいのでお勧めです。



5、必要な情報を拾う力を養う(スキミング、スキャニング)

黙読の中には文章全体を素早く読みこなしてその内容の主題や趣旨を掴むスキミングがあります。時に拾い読みという別の言い方もされることがありますがちょこちょこと拾いながら読む方法ではありません。タイトル、目次、章ごとの区分けを意識確認し文章の構造を確認しながら主題を探して読み込んでいきます。

またスキャニングというある特定の情報を探しながら文章を読んでいく方法もあります。この方法は一度読みこなした本を再度読む必要があるときに私がよく行う方法ですが、模試などの限られた時間内に答えを探すという場合にも使える方法です。私は日常的にこの方法を使うことが多く、確かこのページあたりに必要とする情報があっただろうという場合やこの作家さんであればこのような書き方をしているから新冊もこうではないだろうかという場合に使用しています。この力をつけると不思議ですがページ数の多い作品や何の印もつけていない真っさらなページであっても自然と必要とする文字が目に飛び込んできます。

これらの読書のスキミングとスキャニングを獲得しておけば限られた時間内で一定の文章を読みこなす模試などに活用することができます。このように記すと短時間で読書を行う速読などを進めているように勘違いをするかもしれませんが、読書とは情緒豊かに思考を深めるためにそしていろいろな感情を呼び起こし自分自身の叡智にすべきものだと考えています。

ではここから黙読を読解力に変える方法について簡単に記してまいります。


①  段落ごとに分け要約して読む

段落分け確認し段落ごとの持つ意味を考える。各段落ごとに導入、問題提起、具体例、補足、結論などの役割があることを頭に入れながら文脈を捉え精査して読み込んでいくようにします。


②  人の感情や行動に注視し物語文を読む

登場人物の心情に寄り添いながら読むことで読み物としてだけの学びではなく、自分自身や周りの人の心情に気付き生きた学びを行うことができるのも読書の魅力です。


③  内容の理解に努め主題を考える

「何が書かれているのか」「何がいいたいのか」という筆者の言いたいことを想像し、思い浮かべながら内容を汲み取っていきます。