羊水検査の方法
新型出生前診断を受けて、陽性の場合、確定診断のために羊水検査を受けることをおすすめしています。
羊水検査は、だいたい妊娠16週前後で行います。
ですから、新型出生前診断を受けるタイミングが後ろにズレると、羊水検査も遅れ、中絶期限の妊娠22週まで考える時間がなくなってしまいます。
ところで、羊水検査とは一体どのように行われるのでしょうか。
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著書「産婦人科で聞きにくい妊娠の医学」から
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羊水分析について
Q・・・結婚が遅かったため37歳で妊娠しました。
周囲の人たちから染色体異常の子供ができるのでは…と言われ、心配になっています。
どのような検査をすれば良いのでしょうか。
A・・・胎児の染色体検査は、子宮内の羊水を採取して行います。
「羊水分析」と言いますが、これは母体が妊娠16週前後で行います。
今回のように高齢出産(35歳以上)、また染色体異常の分娩を経験した妊婦、夫婦のどちらかが染色体異常の保因者、X染色体に伴う伴性遺伝病の保因者、重症の先天性代謝異常症の保因者などの場合に行います。
私は入院していただき、超音波を見ながら子宮内の羊水腔を穿刺(せんし)して羊水を採取します。
採取された羊水は、時に少し白っぽい感じです。
これを検査センターに送ります。
そして羊水の染色体分析、胎児の性、酵素分析を行います。
母体は、羊水穿刺後の30分以上、児心拍と陣痛のモニターを行います。
全く問題がないときは、帰宅しても良い場合もありますが、当日の夜は入院経過観察を行います。
翌日に、問題なければ退院となります。
羊水の細胞培養は普通2週間から4週間かかりますので、結果はその頃に判明します。
同じ羊水穿刺でもRh式血液型不適合の場合、羊水過多症の場合などは、妊娠18週から22週以後に行います。
羊水穿刺の手技は、ほぼ同じようにやります。
羊水細胞の染色体分析の判定の信頼性は極めて高く、羊水採取は重要な検査と言えます。
しかし、羊水穿刺に伴い、流産、早産、羊膜炎、羊水漏出などの合併症も1%前後の頻度で発生します。
今後の妊娠、分娩が不安でたまらないような状況でしたら検査を受けられるよう勧めます。
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新型出生前診断を受けて、その後羊水検査を希望される方に対して、施設が羊水検査の費用を負担してくれるところがありますから、そういった施設を選ぶと良いと思います。
検査には、当然お金がかかりますから、費用を工面する問題も起きます。
そうした検査費用によって、検査を受けることができない、躊躇してしまうことで、お腹の子どもにとって悪影響が出てしまうことは防がなければなりませんね。
羊水検査の方法は、クリニックや医師によって多少異なると思いますが、新型出生前診断を受けた施設などで充分に説明を聞き、素早く行動が出来ると、お腹の子どものために考える時間がたっぷり確保出来ると思います。
やはり、こうした検査を受ける妊婦さんは、お腹の子どもが正常に育っているか、心配でたまらないのだと思います。
妊婦さんの心配や不安を拭うことが、新型出生前診断や羊水検査の目的だということを改めて再確認しなければなりませんね。