マイ・ボディーガード
マイ・ボディーガード
Man on Fire
2004年10月13日 一ツ橋ホールにて(試写会)
(2004年:アメリカ:146分:監督 トニー・スコット)
この映画の凄いところはカット割りですね。2時間26分という長さなのに1カットの時間がとても短く、ぱっぱっぱっとシーンが途切れる事なく、無駄なく続けることで緊張感を持続させている、ということです。
A.J..クィネルの原作『燃える男』では舞台はイタリアだったそうですが、今、誘拐犯罪が一番多いのは・・・ということで映画はメキシコシティになったそうです。危険度合いからしたらメキシコシティの方が混沌としていて映像的には良かったのではないかなぁ~と思います。
もとCIAの特殊部隊員、ジョン・クリーシィが今は酒浸りでメキシコシティの実業家の娘の運転手兼ボディ・ガードになる・・・その娘、ピタ(ダコタ・ファニング)との出会いから、少しずつ心を通わせていく様子や、クリーシィの過去の描き方などとてもスピーディで余計な部分がないのですね。多分、他の映画だったらここらへんをば、じっくり・・・ってなるのでしょうが、過去はフラッシュバックでちらちらっと見せるだけで変な感傷的な部分は極力避けているのがいいですね。
過去、特殊部隊員としてクリーシィがどうだったか・・・はピタが誘拐されてからの行動力でばっちりわかるようになっていますし、人間関係もかなり複雑ですがここも手際いい。昨日の友が今日の敵、裏で誰が誰とつながっているか、混沌とした中で、ひたすら志を貫くデンゼルさんであります。
そのやり方はかなり暴力的ではあるのですが、同時にスタイリッシュでもあり見せ方の上手さですよね。
「天才子役」ダコタ・ファニングちゃんもあまり出過ぎず、かといってクリーシィの目的はピタの救出ですから、主役でもあるという使い方もいいですね。
ただし、宣伝の『レオン』と比べるのはちょっと違うような気がしますが・・・。あくまでもハードでスタイリッシュで熱気むんむんの復讐と奪回のサスペンス、なのであります。
(ただし、ミッキー・ロークが出てくる所だけ、『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラート』になってます・・・)