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更夜飯店

菊花の香り

2018.09.09 11:17

菊花の香り

Scent of Love

2004年10月18日 キネカ大森にて

(2003年:韓国:109分:監督 イ・ジョンウク)

『ホワイト・バレンタイン』『永遠の片想い』・・・に続いて韓国恋愛もの第3弾、であります。

人気のテレビドラマ『冬のソナタ』『秋の童話』(って私はテレビドラマはこの2本しか観ていないのですが)真っ青の純愛、照れくさいをここまで貫けば、もうどっぷり気持ちよくなれますよ、という映画です。

テレビドラマの場合、ひっぱる、のですが、映画は約2時間の中に、純愛要素ぎっしり詰め込まれてますから、濃度濃いですぞ。話はサクサクと進んでいきますしね。時間の飛ばし方とかも上手いですね。

アメリカ帰りの大学生、イナ(パク・ヘイル)が一目惚れしたのが大学の先輩、ヒジェ(チャン・ジョニョン)。

気が強くて、リーダーシップがあって、正義感が強いヒジェに比べて、イナはおとなしい男の子。

たまたま無理矢理誘われた、「韓国世俗本研究会」(!)でますますヒジェを好きになるイナですが、ヒジェにはもう恋人がいます。(この「世俗本研究会」が、古本屋さんであれこれ昔の俗本を漁っているのですが、店主は『ほえる犬は噛まない』のボイラー・キムさんの話をするあの警備員さんでなかなかいい味出しています)

イナは何があってもヒジェのことを想い続ける。ただそれだけといえばそれだけかもしれません。

しかし、普通、あきらめるだろうなぁ~という所、ひたすら片想いを貫いて、想いを捨てることがないという筋金入りの根性、外見の静かさに秘めたパク・ヘイルの純粋な姿がもう、感動的です。

軍隊に入って忘れようとするけれど、でも無理。そんな気持ちを否定せず、大切にしているって姿が今の自分にはないものかとショックを受けますね。そしてそんなイナを密かに応援するヒジェの親友、ソンミ(チェ・ジョンナン・・・『美術館の隣の動物園』で劇中ヒロイン演じた人)この人の存在も欠かせないですね。

大学のサークルで行く島、イナたちが集まる古本屋他、風景などとても綺麗で映像はクリア。

「好きになった人のそばを離れることはできない。でも好きな人につきまとうことも出来ない」といつも距離をもって見守り続ける謙虚なイナの姿に私なんかは素直に感心してしまいましたね。パク・ヘイルも『殺人の追憶』のイメージをがらりと変えての朴訥な姿、また、チャン・ジョニョンのサバサバしたかわいらしい笑顔も魅力的。