TUBE(チューブ)
TUBE(チューブ)
2004年10月26日 一ツ橋ホールにて(試写会)
(2003年:韓国:116分:監督 ペク・ウナク)
TUBEとはイギリス英語で地下鉄のことですね。地下鉄を舞台にしたサスペンス・アクション。
『オールド・ボーイ』他、韓国の映画の特撮の使い方の上手さはびっくりしますね。これみよがしの特撮ではないのですが、自然と引き込まれてしまう勢いというのを抑えた硬質な映像でクリアに見せる。
この映画の主人公は地下鉄です、といってもいいくらい地下鉄のあれこれ、が出てきます。電圧とか油圧とか・・・地下鉄の管制室もまた舞台のひとつ。韓国、ソウルの地下鉄は昔の防空壕の後を利用して作られているのだと初めて知りました。それを上手く使ってサスペンスを盛り上げています。
そして登場人物たちの存在感。台詞は少なくても、目の力が強くて、全身から力みなぎってます、という迫力があります。
暴走刑事キム・ソックン、刑事を慕う女スリのペ・ドゥナ、悪役テロリストのパク・サンミン。日本ではあまり知名度ないかもしれませんがこの映画を観ればその存在感というのが、頭にこびりつきます。
固いハードなだけではなくて、ペ・ドゥナが手品をしてみせて何もない所からキャンディを出すかわいらしさ・・・また、スリの男のドタバタ具合、とか上手く娯楽的な要素も含まれていて、冒頭の空港のシーンからノン・ストップです。次々と襲ってくる危機また危機・・・どう切り抜けるのか、暴走刑事が1人ヒーローでない所もいいです。
地下鉄の管制室でのやりとりというのも上手く融合させていて、室長さんの存在感もとても大きいですね。
日本の地下鉄と韓国の地下鉄ってとてもよく似ているし、地下鉄のホームの雰囲気も同じ。この映画を観て以来、妙なリアルさを感じながら、地下鉄に乗っております。