2023年秋アニメ第1話クロスレビュー
「萌え人」読者の諸兄は今年7月に行われた日本萌学会(個人)主催のアドベントカレンダー企画の1記事であった「2023年夏アニメ第1話クロスレビュー」をご存知であろう。
筆者が軽い気持ちで掲載したこの記事は思いの外に反響をいただき、この度2023年秋アニメのクロスレビューを開催する運びと相成った。さらに今回のレビューでは新たに3人のレビュアーを迎え入れ、より多くのアニメをレビューすることができた。新たなアニメとの出会いと、数多のアニメ作品と、このような記事を読んでくれる読者に感謝を。
レビュアー一覧
日本萌学会
信じてください。16bitは1話時点の感想です。
うどん仁
友情・努力・勝利
末茶藻中
硬派なので『不徳のギルド』以外のアニメのエッチなシーンで喜んだことないです。
反射炉
『とらドラ!』と『ぱにぼにだっしゅ!』が好きです。
はやかわ
萌えに真剣。
はるひ
『ストライクウィッチーズ』が大好き。
アニメクロスレビュー
今回のレビュータイトルはレビュアーが希望した6タイトルとランダムに選出された1タイトルの計6作品となる。作品名は以下の通り。
- 16bitセンセーション
- でこぼこ魔女の親子事情
- 私の推しは悪役令嬢。
- 攻略うぉんてっど!~異世界救います!?~
- ポーション頼みで生き延びます!
- 君のことが大大大大大好きな100人の彼女
- とあるおっさんのVRMMO活動記
これらの作品の第1話を、それぞれ5名のレビュアーが10点満点でのレビューを行った。
早速、レビューを掲載する。
とあるおっさんのVRMMO活動記
末茶藻中 5点
リッチなアニメも悪くないのだが、深夜アニメにはやはりだらりと気楽に見られる、チープな大衆食堂感が欲しい。そんな私にとってMAHO FILMのこういう作品も全然嫌いではない……のだが、いかんせん深夜1時から視聴するには眠すぎる。おっさんが黙々とゲームをするだけというこの思い切りの良さは評価したいが、せめて主人公が美少女であれば……と思わずにはいられない快楽装置の乏しさ。上田麗奈さん早く出して欲しい。
反射炉 4点
特に貶すほどではないけど褒めるところもなく、視聴後に残されたのはいくつかの疑問符であった。このゲームは何がそんなに面白いのか?どうしてみんな理不尽な改悪に耐えてまで続けるのか?どうして所詮ゲーム内でこんな脅しが成立するのか?嫌ならやめればいいのに…しかし、これらはどんな目に遭おうともインターネットに常駐し続ける私へのブーメランなのであった。インターネットやめろ!
うどん仁 3点
作中ゲームがボケナスすぎ。悪質なプレイヤーにペナルティないし明らかにベータテストでクソ評価の職あったのにリリースまでに修正されてないし、本当に面白くなさそう。不遇職の格を上げるためにインフラのレベルを落とすゲームがあってたまるかバカタレ。ゲームを題材にする以上はゲームがクソだとアニメ自体に対するヘイトが出てよくないけど、おっさんのゲームプレイをだらだら見るのは悪くなかった。ゲーム実況とか好きだし。
はるひ 3点
笑えるアニメではある。でも、面白いとは思えない、嬉しさがない、というのが正直な感想だ。作中ゲームに魅力がないし、不遇職を選ぶ理由は理解し難いし、そもそも全然不遇じゃなさそうだし、敵キャラは不快なだけだし、人と関わりたくないって言ってる割に普通に友情仲間絆みたいなムーブするし、しっくりこないところがありすぎて……。あ、自販機が刃牙の家みたいになってるのは純粋に面白かったかも!
はやかわ 2点
正直かなりしんどい作品。チープな作風は嫌いじゃないし、むしろ作品のキモが可視化されやすい分、そこにハマれば加点できるのだが。ゲームの世界ではリアルで云々言いながら、主役ではないと不遇スキルを取り、人と関わりたくないと言いながらフレンド登録に抵抗ないし、そもそもやってるのMMOだし。せめてこういう思考の言い訳として異世界転生の強制性を使えばいいのに、あくまでゲームだというのもちぐはぐさを感じてしんどい。
総得点 17/50点
ポーション頼みで生き延びます!
ある日突然、異世界に転生してしまった22歳のOL・長瀬 香。
転生先でバッチリ生き延びるために、神様的存在からカオルがゲットしたのは若返った肉体と…超チート級のポーション作成能力⁉
異世界転生女子・カオル☆知恵とチートで…生き延びます!
反射炉 4点
元の世界で生き返るのは因果を捻じ曲げることになるからダメとのことだが、別の世界に、唐突に、しかもチート能力を持って出現するのはOKなのか…?丁寧に説明されたわりに話に整合性がないのって冷める。キャラの言動に共感できずサイコパスに見えるのも気になる。あと神様にゴネるシーンが本当に長かった。総じて好みに合わなかったが、主人公の吊り目とイキリ気質は萌え。
うどん仁 5点
かなりぬるくていい。異世界ものなのにモンスターとか全然出てこなかったし本当にぬるすぎる。ぬるま湯が大好き。バトルを避けてるからだけど。にしても悪徳貴族との騙し合いって大体2話とかでやるもんじゃないか?悪徳貴族がまだ悪徳ぶりを発揮しないうちに物品だけ盗まれて逃げられているのが本当に可哀想だった。代金としていくらかポーション置いてきたりした方がいいと思う。夢枕に立つシーンで食卓まで出すのは面白かった。
末茶藻中 6点
『のうきん』『ろうきん』に続くFUNA先生作品のアニメ。原作の連載は『ろうきん』と同時期とのことだが、そのミツハ殿を彷彿とさせるような、かなり逞しく強かな主人公のカオル殿が印象的。傭兵招集クラスの暴れを期待したいが、早速1話にてアイテムボックスで家財窃盗という荒廃倫理観を平然と見せており、戦々恐々としている。愛嬌とヤバさどちらが勝るかはまだ未知数。アニメイジングだし前田佳織里さんに出演して欲しい。
日本萌学会 7点
家族会議を挟んでから転生するの前代未聞だろ…。まあでも神様からチートもらうだけのパートでここまで味が出るのは技がある、と判断していいのか…?まあ最終的な所感としては酒パコパコしながら見る分にはかなり楽しいし、1話としてのまとまり具合はレベルが高かった。今後どういうキャラクターが出てくるかが勝負のアニメか。
はやかわ 8点
クールに一つあると嬉しいタイプのアニメ。主人公が無茶苦茶なのは勿論、メインキャラが現状全員うっすら狂っているのもいい。キャラ同士お互いに狂気度を高めあっていって、無茶苦茶やりあってどんどん視聴者の倫理観ハードルを下げていって、最終話に辿り着くころには手に負えなくなっていてほしい。ゲラゲラ笑いながら見られるお酒の進むいいアニメ。萌えメイド5人衆の出番がもうなさそうなのでそこが減点ポイントです。
総得点 30/50点
攻略うぉんてっど!~異世界救います!?~
社畜生活を送っていたアラサー女子・イノーは、ある日不慮の事故によってゲーム世界へと召喚されることに。
魔王によって平和が脅かされる異世界で、同じく召喚された引きこもりニートにして美少女勇者のエンヤァとともに、現実世界へと戻る方法を探りながら、異世界を救う大冒険が始まる――!?
華乃井摸甫摸甫 5点
味方に暴言吐きながら台パンする30代会社員、嫌すぎるだろマジで。いやチャットで暴言吐かないだけマシかも……。それにしても中華アニメ特有のテンポ感にはまだ慣れないですね、早くこちらがアニメの形に合わせなければならない。時々面白いんだけど、面白くなるまでの間は正直苦しいかな。情けない井口が出てきて本当にうれしい。EDもうれしい。
はやかわ 5点
日本のアニメでも見られる演出や台詞回しについては、海外の人が日本語に翻訳しながら描いた同人誌を読んだ時と同じように、細かいニュアンスや間の違いに違和感を覚えてしまったのだが、一方大陸で独自に発達したと考えられる演出、恐らくカートゥーン由来なのだろうか、腕を組んで首を傾げるドラゴンや、ビニール袋みたいに噛み千切られるバリア等の演出が妙にツボに入ってしまった。点数こそ低いが今後に期待したいアニメ。
反射炉 7点
上半身に対して下半身が屈強すぎるだろ……(ケツがデカくて嬉しい)。登場人物全員飲み込みが早すぎる。人物像がつかめず感情移入しづらい。転生モノ特有の神様にゴネるシーン(つまらなくね?)がサクッと済んだのは嬉しかった。笑いのノリがズレているように感じるのは海外作品ゆえか。見ていてとても楽しくはあったので、点数の付け方に困る。
はるひ 8点
所謂ゲーム風ファンタジーだが、なろう系ジャンルとしてのそれというより、ゲーム作品に対するオマージュに溢れた故のゲームっぽさとなっている。私もゲームが大好きなのでとても肌に合う作風で楽しい。妙に気性が荒い主人公もクセになる(「このクソガキ!」「犬に負けたことない」等々)。可愛いディフォルメ3Dキャラがどこかで見たようなエフェクトと共に活躍する、萌え渇きを満たすのにはうってつけの作品だ。
末茶藻中 9点
日本と異なる文化や価値観が楽しめるのが海外作品の面白さだが、一方で中韓からは日本と同じか、時には日本より直球のオタクオタクした作品が出てくることがあるのも嬉しかったりする。本作はまさにそのオタクらしさが存分に出た作品で、オタクパロディどんとこいのストロングスタイル。萌え・ギャグ・暴力が揃う作品に悪いことなし。それにしても「犬と喧嘩して負けたことない」は国内作品にはなさそうな荒っぽさである。最高。
総得点 34/50点
でこぼこ魔女の親子事情
ひとり森で暮らす魔女のアリッサは、ある日人間の赤子を拾う。
戸惑うものの、ビオラと名付け、赤子を育てることにしたアリッサ。
そして16年後、ビオラはアリッサの想像を遥かに超える成長を見せ……
って、成長しすぎー!!容姿が逆転した親子のでこぼこドタバタコメディここに登場!!
日本萌学会 6点
視聴前に公式サイトを見た段階で「や、これは絶対に『必要』な枠だろ…」の格を感じた作品。面白さや萌え萌えといった観点からは琴線にあまり触れなかったが、視聴者として嬉しくなる要素が多くて良かった。テンポを意識した構成や、途中で次回予告を挟むアップテンポのEDとか、楽しいアニメを作るセンスは頭一つ抜けていると思う。なんだかんだちゃんと笑顔になれるので視聴は最後まで続けたい。
はるひ 6点
タッパが小さいと嬉しいし、大きくても嬉しいよなという気持ちがあります。魔法/魔女ギャグの連発がクスッとできていい。でも胸周りや変質者の話とかがちょっと露骨すぎたり古臭かったりするところは苦手だな。ポップ感が凄いOPと次回予告を含むED演出が印象的。キャラクター的にはやたらいい声のフェニックスが一番好きかも(萌えキャラじゃなくてもいいのかよ!)。
華乃井もほもほ 7点
落書きみたいなフェニックスで大声出た。新・宇宙3大カワイイ生物にノミネートです。全編通してうれしい系のアニメーションで次回予告の出し方もうれしい。とはいえ面白さという点ではそこまでビビっと来なかったので、こういう系統のアニメの視聴ってこちら側のメンタル面が大きく影響するんですよね。どちらかというと気持ちに余裕があるときにのんびり見たいアニメかも。
末茶藻中 7点
『冰剣』にてアニメ界にこの人ありと知れ渡った、たかた監督作品。年と見た目が一致しない母娘で「ママ大好き」を繰り出すコメディはまずまずというところだが、テンポの良さで楽しく見せるのは流石。今回もたかた監督は音響監督兼任だが、萌えとクールを華麗にこなす古賀さんによって、少女めいた200歳の魔女ママの、かわいさと冷静さのギャップを表現するのは見事なキャスティングである。EDに挟まる次回予告も嬉しい。
うどん仁 9点
俺が好きそうなアニメすぎて本当に凄い。楽しいアニメすぎる。最近は世界観の設定が「縛り」になってしまっている作品もよく見かけるのに、ファンタジー設定を「楽しくする」ために使っているのが本当に嬉しい。キャラの味の濃さも各々が本当にいい感じ。今期一番好きなキャラがフェニックスになる可能性が強すぎる。でもネコちゃんがキュウリを見ると飛び上がるのは一瞬蛇だと思っちゃうからで、ストレスをかけるからやめようね。
総得点 35/50点
私の推しは悪役令嬢。
社畜OL・大橋零は、前世でプレイしていた乙女ゲーム『Revolution』のヒロイン・レイ=テイラーとして転生し、異世界での生活がスタート。
王立学院を舞台にイケメン王子たちを攻略する、夢のような乙女ゲームの世界。
しかし彼女の”推し”は、悪役令嬢・クレア=フランソワだった!
「私はクレア様が大好きです!!」クレアのワガママも嫌がらせも、彼女にとってはむしろご褒美。前世でゲームをやり込んでいたレイは、その知識と愛でクレアとお近づきになれるのか?
《推し一筋》の異世界ガールズラブコメディ、開幕!
華乃井もほもほ。 6点
大元がゲームという要素をちゃんと話の展開に積極的に組み込んでいくのはいいですね。2話以降で小出しにされる設定とか小技(?)とかもありそうなので楽しみです。登場人物の様子がおかしいアニメは好きですが、このアニメのキャラクターは個人的にギリギリ及第点って感じでしょうか。化けるのは期待しないけれど、失速しなければ最後まで楽しめる気がします。
うどん仁 7点
あクレア様萌え萌えすぎてヤバい。本当にこういうコテコテのキャラが大好き。あと主人公がキモくて凄い。「主人公のアクが強いといい」でカバーしきれないキモさと迷惑さがある。でもお前のキモさがクレア様の萌えを引き出してくれるんだろ?もっと萌え萌えなクレア様が見れるなら主人公のキモさには目を瞑る。たぶん瞑れると思う。瞑れるんじゃないかな。男陣はまだあんまり魅力を感じなかったけど、結構伸びしろを感じるアニメ。
はるひ 7点
なろう原作読了済み。クレア様が萌え萌えで可愛いのは当然として、主人公レイの癖が強い性格が視聴者に受け入れられるのか1話時点では心配です(原作を読了している俺はレイの挙動を後方理解者面で腕組しながら見ているぞ!!!)。わた推しは積み重ねで加速度的に面白くなっていく作品だと思いますし、きっとこの先では皆さんにもレイのことを気に入ってもらえると思います。でもやっぱり1話ではヤバいだけのやつだよな……。
日本萌学会 8点
悪役令嬢ものも腐るほどなろうで読んだしなあ…の気持ちだったが、最初の5分で完全に掴まれた。異常にメンタルが強い主人公が推しキャラの悪役令嬢クレアから受けるテンプレハラスメントを享受しながら関係を深めていくという展開なのだが、これがコミカルでサクサクと進み、面白い。主人公の性格もさることながら、クレア様の根がいい人ですぐしょーもないことではしゃぐので観ているこっちも楽しくなる。本当にいいアニメです。
はやかわ 8点
クレア様とじゃれあう毎日は至福だ。←クレア様の心を乱しまくるあの一連の行為を「じゃれあい」と称する、コイツ範馬勇次郎の産まれ変わりか? 悪役令嬢物も作品数が増えてきて、基本的な構成が変えられない中で、どこで個性を出すかの落語の域に突入している感じがありますが、クレア様の萌え一本で1話を駆け抜ける豪胆さに拍手。毎秒涙目でいてほしい。点数が若干高いのはイカれたED加点とクレア様の方が若干背が低い加点です。
総得点 36/50点
君のことが大大大大大好きな100人の彼女
中学で失恋100回を達成した愛城恋太郎は、高校でこそ彼女を!と願い訪れた神社で、現れた恋の神様から
「高校で出会う運命の人は100人いる」と告げられる。しかし神様いわく、運命の人と出会った人間は、
その相手と愛し合って幸せになれなければ死んでしまうという……。
次々に待ち受ける運命の人との出会い―― どうする恋太郎?どうなる100人の彼女!?
末茶藻中 8点
てかさ、お前は100カノで誰が一番好きなんだよ。俺? 俺は…やっぱ院田かな(頭ポリポリ)てか100人らしいのに初手で1本決めるのとか、無理じゃね? 『ネギま!』でも31人とかでしょ。でも後から凄く魅力的なヒロインが来ても、最初に出会うのが運命ってことなのだ。人の縁とはそういうもの。佐藤監督とは『帰宅部』に大ハマリして以来大好きな監督で、やっぱりメタギャグやらせると一級品。これもまた、縁だろうか。
華乃井聡太八冠(あと92冠) 8点
開幕から息をするように投げっぱなしのクソギャグをぶち込んでいく姿勢がすごい、やっぱギャグアニメってテンポだよな。時間が過ぎるのが早く感じるいいアニメ、いい1話。ツンデレチョロインでニッコニコ。オヒョヒョヒョヒョヒョ。だが忘れてはならない、「「運命の人はあと98人いるのだ。」」←えええええええええ!!!!!!!!!!!!!!
本日の教訓『内申点は稼いでおいたほうがいい。』
日本萌学会 9点
原作のスピード感とギャグセンも半端なかったが、アニメ化しても原作の味が損なわれることなくアニメとしての面白さや萌え萌えパワーが増してるのが本当に凄い。というかサブタイの『君のことが大大大大大好きな2人の彼女(あと98人)』ってヤバくないすか?(あと98人)ですよ(あと98人)!俺のことが大好きな彼女があと98人も出てくるの胸が躍るな…。98個の夢が俺を待っている。そうだろう?だから、掴もう。すべてを。
うどん仁 9点
ムチャクチャやりすぎてる!やっぱり俺ってムチャクチャなアニメが好き。最初の第二ボタン横一列で「これはもうムチャクチャな作品です」って教えてもらえるの凄い親切設計。ちょっと面白すぎて心配になってきた。萌え萌えすぎるし。ここから萌え萌え彼女が98人増えると思うと目眩がしてきた。全員揃うまでアニメ続けてほしいよな?手厚いムチャクチャと主人公の真摯さでハーレムの忌避感をなくしてくれたのも非常に心地よかった。
反射炉 9点
うれしすぎ!!!!!
萌えキャラって多ければ多いほどいい。原作ちょっと読んだけどアニメも期待通りすぎる。すごいテンポ感の中にギャグ要素と純情・泣き要素がちゃんと入っている。
ちょっと前のクールでは1~5までの数字で戦う謎のアニメがあったが、今季は1~100までの数字で戦う謎のアニメのクールになることだろう。
総得点 43/50点
16bitセンセーション ANOTHER LAYER
秋里コノハは美少女&美少女ゲームが大好きなイラストレーター。
超人気絵師になることを夢見て美少女ゲーム制作会社で奮闘しているものの現実はうまくいかず……、ソシャゲ全盛期の現代に会社は傾き、コノハはサブのイラストレーターとしてモブキャラの後ろ姿を塗る日々を過ごしていた。
ある日、ひょんなことから過去の名作美少女ゲームをゲームショップの店主から譲ってもらうことに。美少女ゲーム黄金時代に思いを馳せ、『同級生』のパッケージ開くと突如まばゆい光に包まれ、気づくとコノハは過去にタイムリープをしていた!
行きついた先は1992年!世は美少女ゲーム黎明期!アルコールソフトという会社で働くことになったコノハは、美少女を想い、美少女を描き、美少女を創りあげていけるのか!?
圧倒的な美少女への愛でお送りする、ひとりの少女の物語――
『それじゃあ、始めるね!』
反射炉 8点
美少女ゲームネタが多く、詳しくない身としては戸惑いもあったが、次回への引きからの主題歌MVがめちゃくちゃ期待感を煽ってくれた。主人公のコテコテの萌えキャラっぷりに若干引きもしたが、その"時代逆行"感はまさに本作のテーマに符合している。彼女が現代社会に馴染みきれない様子には、美少女ゲーム界を取り巻く現状のメタファーを感じさえもする。個人的には質ぶり厨房がいつチンバキ道に堕ちるのかも楽しみである。
はるひ 8点
オタクすぎる…このアニメ……。このアニメはオタクすぎるので、背景に映り込むコンテンツ達を、視聴者であるオタクが把握できているか試してさえいる。有名作品だから知ってて当然だよな?みたいな圧がある(Engage Kissはエロゲすぎる面白アニメだからおすすめ)。当然の如く業界を愚痴ったり、実名ソシャゲ広告を映しながらぼやいたりするのも自由奔放でいい。あと主人公が萌え萌えな動きをしているのもいいと思います。
華乃井ワークスプリング! 9点
時空ってそうやって飛ぶんだ。それにしてもこの萌えキャラ、""そういう萌えキャラ※""がすぎるな……(※オタクがポンコツ発揮したのを誤魔化す表現)。「女の子が出てくるゲームが好きなの?」←これ面白い。俺もソーナノ。店でエロゲを広げるな。おれは早く2話が見たいのにレビュー書くために1話見返してたら気づいたんだがこの子左利きなんだぁ。フヒッ。。。でも棚に花咲ワークスプリング!がなかったので9点です。
はやかわ 9点
始まって1分ほどで、CV古賀葵の萌えキャラが「ほえ~っ!」と叫んで八重歯とへにゃ顔を見せつけてきたので「萌えの供給過多!」と叫んでしまいました。私は美少女ゲーの知識がほとんどないですが、萌え一本でも楽しめるポテンシャルのある作品だと思います。9点なのはどん底の底とか、無理無理の無理みたいなコノハちゃんの口癖を私もよく使うのですが、これ生の人間が使ってるとキツいな、という嫌な気づきがあったからです。
日本萌学会 10点
おい!お前は自分の蔵書を誇ることができるか?行くぞ!『エロゲー文化研究概論』!『田中ロミオの世相を斬らない』!そして『16bitセンセーション』だ!
というわけで上記の趣味・志向を持ち、オタクになりたての頃、漠然と小太りで頭にバンダナを巻いて背中にポスターが刺さってるチェックシャツの群れが歩いてる秋葉原という街に憧れていた自分からするとこのテイストは好き。アニオリの主人公も話を面白くしてくれそうで高評価。
総得点 44/50点
以上、7タイトルのクロスレビューをお届けした。
次は2024年冬アニメのクロスレビューでお会いしよう。