地中熱HP導入した大町市あすなろ保育園(環境省優秀事例より①)
環境省は9月7日、2012~2016年度に掛けて実施した地球温暖化対策に関する環境省補助事業の優良活用事例をまとめ、大町市あすなろ保育園地中熱利用設備整備事業など地中熱等再エネ熱導入4事例を含めてHPに公開しました.
環境省が認めた優秀事例として地中熱関連4事例を順次紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
環境省地球温暖化対策補助事業優秀事例 2018年度(地中熱関連1)
≪大町市あすなろ保育園地中熱利用設備導入事業》
『再生可能エネルギー等導入推進基金(グリーンニューディール基金)』では、地中熱ヒートポンプ1基、熱交換井75m・8本を整備した2012年度の『大町市あすなろ保育園地中熱利用設備整備事業』を紹介。エネルギーコスト削減額は約20万円/6ヶ月(冬季)、C O 2 削減量5.3 t-CO2/年などとしています。(記事中写真は環境省資料より)
◆事業概要
【施設概要】
施設名:大町市あすなろ保育園
業種:社会福祉施設
【事業所】
所在地:長野県大町市
総延床面積:1815㎡(建屋)
【補助金】
補助金額:45,360千円
補助率:100%
【主な導入設備】
従前設備:灯油炊きFFストーブ
導入設備:地中熱ヒートポンプ×1基、熱交換井の深さ:75m、熱交換井の本数
【稼働日】
2016年9月30日
区分:新設(新築)
【先進性】市内公共施設で初となる地中熱を利用した床暖房システム。冬季は24時間稼働で活用されており、CO2削減効果は大きいと考えられる。
◆事業効果
エネルギーコスト削減額:約20万円/6ヶ月(冬季)
投資回収年数(補助あり):0年
C O 2 削減量:5.3 t-CO2/年
◆事業によって実現できたこと
地中熱による床暖房は、移転前の灯油炊きストーブに比べて安全性が高く適切な温度を保ちやすいです。また、ストーブよりも暖かさが乳幼児の健康にやさしいことがわかりました。灯油代だけでなく電気代の削減にもつながっており、自然エネルギー利用をとおして地域の環境意識の醸成にも繋がっています。
◆事業を行った経緯
長野県では、地域における自然エネルギーを活用した地域づくりや自然エネルギー産業の創出を促し、市町村やコミュニティーにおけるエネルギー自給率の向上と地域の社会経済の活性化を図る取組みである「1村1自然エネルギープロジェクト」を推進しており、本事業も「災害時の避難施設」としてこのプロジェクトに認定されています。
園舎の建て替えに伴い、市内で初めて地中熱ヒートポンプによる床暖房を導入しました。平成28年3月完成です。
◆事業者の声
地中熱による床暖は、適切に室温を保てるため、とても快適です。導入コストが高額のため、補助金制度なしでは採用できませんでした。
◆事業を行うにあたり特に工夫した点
保育園の中でも特に小さい子どもが過ごす未満児保育室4室、一時保育室、子育て支援室の計6室に導入しました。ヒートポンプは電気で稼働しているため、災害用に非常用発電機も備えます。17時間のフルパワー運転が可能な量の燃料を備蓄しています。
※同資料は環境省ホームページのエネルギー対策特別会計補助事業活用事例集(2018年度)からデータ入手可能です。以下のアドレスを参照ください。
http://www.env.go.jp/earth/earth/ondanka/jirei/jirei2018_3.pdf