木の家に住むことが脱炭素社会に繋がる
※カーボンニュートラル(脱炭素)とは、温室効果ガス(炭素含む)の排出を全体としてゼロとするというもので、排出せざるを得なかったものについては同じ量を『吸収』、または『除去』することで差し引きゼロを目指すものです。
先日、木造建築を建てるということ、住み続けることがカーボンニュートラルにいかに貢献するかを分かりやすく学ぶことができました。皆様に共有したいと思います。
日本の気候は杉、ヒノキがスクスク育つ環境です。植物は育ちながら炭素をたくさん吸収してくれる存在です。
植林後50年から60年建つと建材に適した木に成長します。それを伐採し建物など(構造や造作、建具、家具)に利用したとします、木材は育っている間、そして利用されている間も、炭素をずっと抱えてくれているということになります。
そう考えれば木の家を建てること、住まうことで脱炭素へ貢献していることとなります。
そして伐採後はその場へ新たに植林します、その木が成長しながらまた炭素を吸収してくれます。(理想的な循環)
“このサイクルを続け、木造建築が増えることは人の住む町に森をつくるのと同じことになる”
カーボンニュートラル社会のゴールに最も近いのが木造建築であると言われています。
そして自分の住む町のなるべく近くの森で伐採した木を使って家をつくることが、その町の脱炭素社会(ゼロカーボンシティ)に大きく貢献できることに繋がります。
しかし、まだ身近で採れる建材を利用しようとすると割高になってしまうことが現状です。
流通されているものから安価なものを仕入れるというのが今のスタンダードであり、地域建材を使うと価格競争がされていない、出荷のタイミング、製材のタイミングも計りづらく、手間がかかり割高になっているのが現状です。
今後は木材選定の決定権を一番に持つ建築士が、木材供給者と計画段階からの連携し、地域木材の付加価値をみつけ、設計デザインに落とし込むことで更なるブランディング化を目指し、環境に対する人々の考えの高まりを相乗効果とし、地域建材を使うことがスタンダードになるような流れが大きくなれば、価格も抑えられ施主に負担が少なく提供できる未来が訪れるはずです。
ただ単に木を利用するのではなく、身近な資源である木を利用し建物を建てることで社会や環境に対してどのような良い影響があるのか、そんな視点を持つことで新たな世界が広がっていくような気持ちになりました。そしてその視点を施主とも共有することでより良い建築がたくさん増えることを目指したいと思います。