📚簡易読書感想まとめ【2023.10】
そもそもなぜギノフォードはイアナを嫌っていたのかに触れるお話。
原作者が関与しない、純正イアナの過去がここまで詳しく描かれるのは珍しい。
コノハ(原作者)による悪女設定ゆえにかとにかく嫌われるし死んでほしいと周りから望まれるイアナ。ほぼ理不尽レベルで不幸が襲い掛かってる。
ギノフォードの祖母がイアナと同族性で、イアナの本質を理解してくれた(けど悪党から殺される。イアナが悪女設定持ち故に…だろうと思われる)わけですが
…うーん、読者的にどう考えればいいのかなぁともなりました。
イアナは悪女というか、悪女設定付与により世界から嫌われる運命を背負わされた悲劇キャラってことにしたいのかな?
純正イアナの過去が描かれれば描かれるほど、私は悪くないのに!と感情で先走るキーキー苛烈なタイプの悪女なのか、そうよ私はどう足掻いても悪女なのよと諦観した頭がキレる冷酷タイプの悪女なのか、設定ブレてない?と思うようになってました。
ちょっとこれはマズいのでは…?
オロチの弟がんばって助けたのにやっぱりモブ助けたのは間違いでした~殺します~でもイアナではなくシュバシュバがやりました~はかなり「えええええ~…」でした。
自分が過去に書いた物語の展開を変えていくのが好きだったので、「やっぱり間違ってたんだ物語通りにしなきゃ」と修正側に回っていく展開はキツい。
シリアス重い展開の中に強制的に入ってくる「変態仮面」の字面が初期のギャグ調を思い出せてほっこりしました。
ギノフォードの「もし変態仮面がイアナなら…俺は変態仮面を殺さなければならない…」というモノローグ雰囲気だけはめっちゃシリアスなのに変態仮面の文字が強すぎてシュールギャグだよ。
よく考えたらイアナの変態仮面変装も超ガバガバなのにギノもコノハもマジで全く気付いてないから逆に怖くなってきたw
シャノウやっぱ死んでなかったな!!良かった良かった。その代わりヨミに死亡フラグが立ちまくってる。このままいくとたぶん死ぬ。
正直物語初期の設定(イアナの死亡フラグを回避してハッピーになる!)から離れて行ってしまってて追うのに疲れてきたなぁという気持ちになりました。ヨミが死んだらいよいよ脱落する読者が出そう。
多分今の状態は「悪女転生」というより「ヒロイン厳しめ」とか「嫌われ系」に近い気がします。
アニメで乾姉妹の話まで見てかわいかったので原作も読むことに。
雛人形作り一筋!朴訥としているがとっても真面目な五条くんとスクールカーストトップのオタクに優しいギャル・海夢ちゃんがコスプレを通して交流する…えーと、恋愛…なんていえばいいんだ。
作中に出てくる洋服(コスプレ衣装・五条君作)がとっても可愛い。
海夢ちゃんのエロ可愛さに五条君の天才的裁縫技術が組み合わさっているのでマジですごい。こんなの絶対超大手人気レイヤーにしかならんと思ってしまう。
コスプレに関する知識が得られます。お化粧とかはリアルに通じるものもあり、結構勉強になる。
個人的にはもっと個性的なレイヤーさんが登場するといいなと思いました。全員美形で自分の身の丈に合ったコスしてる人がほぼなので結局顔かよ…ってなる人はなりそう。
掲載雑誌の傾向的に微エロ表現もOKらしくそれっぽい描写ちょっとあります。エロ可愛いに収まる範囲(個人差あり)
コスプレ衣装を作っていく回の合間に適度に五条くんと海夢ちゃんの交流メイン回もあってテンポよく読めました。交流回がずっと続くとコスプレは…?ってなるからね…
6巻最後でクラスメイトから「なんで五条はメイクとかできんの?」と軽く聞かれた五条くんが小さいころに言われたトラウマ(幼馴染とみられる女の子に「男のくせに雛人形好きなんて気持ち悪い!」と言われた)
を思い出して固まるも、すぐに他クラスメイトが「俺の兄貴だってできるよ。できる人はできるよ」「おーそっかそうだったなー」とサラっと流していたのが印象的でした。
その時に五条くんが思い返してみれば「気持ち悪い」と言われたのはその女の子にだけだった、自分も視野が狭くなっていたということに気づくのが良かったです。
12巻続いててもちゃんとモノ作り(衣装作り)が話の中心なのがかなり◎ あと過去に作った衣装やキャラへの言及も作って着たら終わりにしない感じがある。
文化祭ミスコン編は定番だけどワクワクしたし、冬コミのハニエル編は五条君がキャラ(ハニエル)の魅力に捕らわれるのとモノ作りに囚われるのが掛け合わさってて読み応えあります。
冬コミ編は先が気になって思わず本誌購入して最新話確認してしまった…ハニエルな海夢ちゃんがバズりそうでちょっとハラハラする。
映画館で実写の予告を見たときは「なんだこのウエメセ男子はドS設定か?」とシャドーボクシングの構えをしてしまったのですが
原作読んだらいいヤツだったよ三浦くん。
中学時代に地味でいじめられていた石森(あだ名「石」)がリア充ヒエラルキートップにいるダウナー系っぽい三浦君に助けられて一歩踏み出していく少女漫画。
どのキャラも言動が軽やかすぎて危うい感じがしたりご都合展開の存在感は大きいですが、三浦君が「石でもいいじゃん。お前は石でも宝石なんだよ」のところで全てチャラです!
すごく少女漫画展開なんだけど良かった!
ギャルとチャラ男、リア充が跋扈する高校に憧れて(&通りすがりの三浦くんに背中を押されて)選んだヒロイン、正直理解はできないし蛮勇って思うけど若さ&二次元故に応援したくなります。
しかし作中でいじめっこ達がヒロインにお似合いwwと言っていた「制服がダサい女子高」に通っていた身なので「おん?やんのか??」とはなった。制服で学校選ぶ人種とは分かり合えぬ。
チェンソーマン・タツキ先生の短編。
色々思ったし考えさせるような描写が多かったけど、最終的に映画好きな人が映画撮りたくて描いた漫画なのかなぁ…ってなりました。
ちょっと前に超絶技巧展を見たけどその中の「見立て作品」を思い起こさせました。漫画で映画撮ってみた、みたいな。
ひとつまみのファンタジー…ひ、ひとつまみかな!?
でも私の好きな作家さんも「スプーン一杯のグロテスク」と自作を称していたけど読者からどこが一匙なんだ?と言われていたしそういうものなのかも。
全体的な雰囲気は昔、親の書斎にあって読んだ昭和頃のアングラチックな漫画(今の大御所が描いた代表作からは外れるショート作品)を思い出しました。
タツキ先生の作品見ると古傷を羽で撫でられるようななつかしさと居心地の悪さを感じます。
妻が急逝し4歳の息子と1歳の娘を育児することになったシングルファーザー・ハネダ(ハネチン)とデスメタル悪魔のようなメイクをしている隠れイケメン小児科医・琴吹先生(ブッキー)中心とした育児漫画。
BLではない、育児漫画です。
佐原先生自身が育児中とのことで描かれた一種エッセイ的な面を含む漫画かな、と思いました。
ブッキー先生みたいな小児科医が近くにいたらすごく心強いだろうなぁって思います。親にとっての理想の小児科医ですよね…(親も子供も否定しない、子供のはちゃめちゃ言動も笑ってくれる、腕がよく知識アップデートを欠かさないetc)
ハネチンの奥さんがすごい理想のお母さんに私は見えました。
自分はハネチンさん側だなーって思わされた…。子供のことが大好きと表現しまくる、子供が何をしてもおもしろくってしょうがない、絶対味方になってあげられる…そういうところまで私は到達できていない、イライラしてしまう。
ハネチンさんの奥さんみたいなお母さんになれないことが時々すっごく情けなくなるけど、私は私でしかないしハネチンさん側のお母さんは私以外にも意外と多いのを今は少し知っているので大丈夫だと言い聞かせて日々過ごしています。
個人的にシングルファーザーっていう設定での育児漫画なのが良いなと思いました。2巻以降も買いたいです。
書籍のリンクつけようとオレンジ文庫のページ開いたら新刊に関係したWEB限定小説載っててひっくりかえった。知らんかったよ…!(情弱の叫び)
言いたいことがまとまらないので印象に残ったことを箇条書きにしました。
・正義君、とんでもないモテ男になって…1部のころを知ってる読者は衝撃だよ!でもこれまでは正義君視点だったから気づかなかっただけかもしれない。そう考えると「誰かの役に立って消えてしまいたかった」が余計重くなるな…無意識下の意図で気づいてなかった可能性ある。
・イケイケなヴィンスさんだ!!正義の味方!!味方側のヴィンスさんは最高だぜ!!
・安定感ずっと感じるリチャードが真鈴ちゃんのとこで露骨に動揺してるのが良かった。ふふっ。もっとやってくれださい。
・真鈴ちゃん、良太くん、みのるくんの友情ハラハラするけど良いな~時に勢いだけなとこもあるのが良い。でも実はいろいろ考えてるんだよね。良太くんが「男の人生って決まってるようで時々怖くなる」と言っていたのが印象的だった。この構文だと「女性の人生」ってのが多いので、そうそう男性もそういう面あるよね!となりました。生きるの大変だよねぇ…。
・みのるくんとゆらさんの親子関係とそれを取り巻く環境ってある意味めっちゃリアルだなって思ってしまう。第三者から見ると良くない関係(毒親とかそういうの)に単純に見えるけど親子当事者は離れがたくしかし離れないとダメになってしまう段階に行ってしまっているやつ。
児童心理とかそういうのに興味ある人ほどみのるくんの家族はかなり危なく見えるのかもなと思いました。お母さん(恐らく重度の鬱)が拒否してるから福祉の手が届きにくい、でも第三者が介入しないとどうにもならない、あからさまなネグレクトではないがほぼそれと同義の状態になっていて、みのるくんには乖離症状や自己主張がかなり希薄なところが見られ非行…実犯罪行為にまで及ぼうとしていた。並べるともう本当に限界だったんだなぁと。
正義くんも複雑な家庭だけど本人視点をもってすらハッキリとは語られてこなかったこういった「家族」という話。正義くんの場合は結果論にしてもある程度「どうにかなった(乗り越えた…というかやり過ごした)」のもあって掘り起こさないようにしている過去になっているのかな。対してみのるくんは現在進行形かつ思春期という違いがあるので、感じ方も違うのだと思いました。
こういう言い方はアレだけど「BLにおける疑似家族シチュ」というのが私は好きで、でも同時に女性キャラ(子キャラにとっての母親)が「受か攻の血を直接引く子供を産んだら病気なり事故なりで退場」というのにもどうなのよそれ??と思ってたので、このみのるくん親子のリアルさはとても考えさせられます。貧しくて気性が荒い毒親から離れてキレイサッパリ、裕福で優しいパパ2人と幸せになります!じゃないんだよな…。
同時に、みのるくん親子については山岸涼子先生の「スフィンクス」を思い出したなぁ。ある種の依存関係というか。母子互いが決定的に傷つけあう前に離れられるタイミングは正義君がみのるくんの前に現れた時が本当に最後だったのではと思わされます。
今のみのるくんがあって良かった。正義くんに出会う前のみのるくん(と、ゆらさん)が肯定されることがこの先あるといいな。
3部はとにかくいろんなセンシティブ(ジェンダー、在日外国人(国際)、育児、家族、教育など)に踏み込んでいってる分、1部2部よりも読者の捉え方も様々だなと感じました。
ちゅ、多様性ってやつだな!(違うのでは?)
読み終わった後も結構ぐるぐるして感想もまとまらなかったけど、こうして文章にすると私は作品での「家族」の在り方について興味があるんだなと思いました。
それはそうと今巻の正義くんの「今日も世界一綺麗だ」系列シーンがなんか…すっごい…エr………こ、これで何もない方がおかしいだろ!?ってなった。こりゃ周りがヤキモキするわけだ~~~みのるくん視点の言葉だけでこの破壊力だよ。ヤッベ~~~~~!