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くつろぎ読書

10/15 第122回くつろぎ読書会 終了レポート

2023.10.15 15:00

10/15(日)に開催した、課題本型読書会の終了レポートです。

 

課題本:『10月はたそがれの国』 レイ・ブラッドベリ著

開催日:2023年10月15(日)

時間:9:30~11:30

開催場所:池袋駅周辺のカフェ

人数:5名

 

10月というタイトルからなんとなく課題本にしました。


『10月はたそがれの国』は短編集なのですが、このタイトルの短編はないです。

最初に手に取った際に、表題作は無いのかと驚きました。ちなみにブラッドベリは初読です。


全体を通してですが、

なんとも不気味かつ不穏な世界観と、オチがあるのかないのかよくわからない終わり方に魅了されました。

 

『10月はたそがれの国』は19編の短編から構成されており、参加者5名で抜粋した短編を中心に感想をシェアしました。

 

≪皆様の感想(抜粋)≫

 

~まずは全体の感想~

・読みづらいが、文体をつかむとハマる。

・中断しながら読んだ。読み終わるまで、間に2~3冊の小説を読めた。

・最初の「こびと」で、世界観が気に入った。

・読後感がよくわからない、もしくは読後感が良くない作品が多い。

・日常系SF

・訳が古く読みづらいので新訳が出て欲しい。

 

~各話の感想~

 

「群集」 3票

・ホラー要素が高く、怪異を調べる過程が面白い。

・まるで映画みたい。

・現代に通じるポイントがよい。

・犯人は現場に戻る的な感じ?

・事故現場に居合わせる人達が都市伝説のよう。


「大鎌」 3票

・スティーブン・キングぽい。

・藤子不二雄の短編漫画にありそう。

・昔話であった、命のろうそくの話を思い出した。

・SF的要素が強い。

・答えが用意されていない感じが良い。

・死神の役目はどうやったら開放されるのか?逃げればまた別の人が呼ばれるのか?

(前任者は自分の麦を刈っていた)

・鎌だけではなく麦にも魔法がある。

・爆弾がロンドン・モスクワ・東京を震駭させた~というくだりは先の大戦のことだと思うが、風刺ぽい。

・鎌と麦だから遠い感じがするが、身近なものに例えると怖い。

(例えば、コンビニと品出しなど)

 

「アンクル・エナ―」 3票

・唯一のハッピーエンド。

・翼の生えた人間=天使?が人間の女性と恋に落ちるあたりが少女小説ぽい。

・翼の生えた人間=古代ヨーロッパぽい。

・飛べるようになるまでの葛藤が面白い。

・最後は人間になるのかと思ったら凧になった。子供たちへの愛情を感じる。

 

※同じくアンクル・エナ―がでてくる「集会」について

・同じ登場人物だとは気がつかなかった。

・こちらは訳がエナ―おじさんなのはなんでだろう。

・セーレムといえば魔女という知識しかない。

・エナ―おじさんのセリフがよい。

・シシーの情景描写が文学的。

 

「つぎの番」 2票

・読んでて一番ドキドキした。

・終わりが映画っぽい、余韻を残す終わりかた。

・安部公房の「砂の女」を彷彿とさせる。

・夫が妻を殺したという見方をすると、アガサ・クリスティーのサスペンスのようだ。

・アメリカからみるとメキシコは砂漠。

 

「骨」 2票

・自分と自分の骨が対立するところにユーモアがある。

・ハリス氏の真面目さが滑稽。

・バーの太った男との会話が面白い。

・骨が痛くて骨の存在に気が付く=異が痛くて初めて内臓の存在に気が付く?

・クラゲと表現されていたが、結局何になったのか?

 

「壜」 2票

・何だか分からない物だからこそ、想像力が働き、尊く感じる。

・皆自分が見たいものを見ている、自身を投影し、過去の辛い思い出を吐き出してる。

・まさに集会。皆が一つの物をみて、口々の意見を言っている。結束力や共感が生まれる。

・宗教の集会みたいな感じ。

・妻はやはり殺されたのか?妻を見返そうとして壜を購入したが、より大事なものになり過ぎた。

 

「みずうみ」 2票

・詩的要素が強い。

・一番短い話。

・何故戻ってマーガレットを忘れたのか?12歳に戻ったのか?

・子供時代の時間が切り離されて浜辺に固定さえたみたい。

・原書で読んでみたい。

 

「小さな殺人者」 2票

・まるで映画ローズマリーの赤ちゃん。

・彼女の中に空洞が生じた。真空。急に、苦痛が消えた。虚脱。←こんな感じで出産を表現するのが珍しい。

・ラストが気になる。あの後どうなったのか?

(多分、医者は自身の手術刀が刺さって死ぬのだろう、そしてベビーは施設で育ち里親の元へ、殺人を繰りかえす。。。)

 

気に入った箇所:

P23 『こびと』

神様はあの男を、見世物以外に使い物にならない人間につくりあげた。それでいて、あの男、あたしたちより、ずっとまともな世界に生きているのよ。神様から、見世物で働かなくてもすむようにつくってもらったあたしたちが、その見世物の世界で、ご飯をたべている。

 

P468 『集会』

この世はわれわれにとって死んでる。その証拠はたくさん見てきた。うそじゃないんだぜ。いちばん少ない生き方をする者が、いちばん豊富に生きることになる。

 

P93 『つぎの番』

そこは空席だった。

 

P259 『小さな殺人者』

「見ろ、ベビー!このかがやいている物―この、美しい品!」手術刀!

 

P183 『みずうみ』

ぼくがなぎさにもどると、そこに、見知らぬ女性が、微笑をふくんで、ぼくを待っていた。マーガレットという名ではあったが、見たこともない女性が・・・・・

 

P463 『集会』

「硫黄のガスがあたしをつつんでいる。沼から湧き出る泡をみつめているの。鳥が飛び立ったわ。きいきい鳴きながら、あたしの顔をかすめて飛んでいくわ。急にあたし、鳥に乗り代わってよ。このまま飛んでいくつもり!」

 

以上です。

 

課題本読書会の醍醐味は、自分の感想と他者の感想をあわせて、また違った目線で作品を見直せるとことだと思います。既に読んだ本なの、一瞬にして違った本に見えたりして、毎回あたらしい気づきがあります。


機会があれば、年内にもう一度課題本読書会をやりたいです。

 

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。