vol.11「春日局」と「家光」について
けども、私としては昔観たドラマ『大奥』で盛り込まれていた要素がもっとも腑に落ちまして。お江はせっかく待望の男児を出産したのに、産み落とした瞬間から乳母(お福)に子供を取り上げられてしまい、抱かせてももらえなかった。その後も、病弱な竹千代の世話を甲斐甲斐しくするのはお福の役目。竹千代もお福に懐いてて、お江を怖がる始末。そりゃお江も悔しいに決まってる。
ちなみにこれ ↓ は最近読んだ『徳川秀忠と妻お江』で初めて知ったのだが、なんと竹千代くん、国松びいきを気に病んで、自殺未遂したことがあったそうな。そこまで思い詰めてたとは知らなんだ。で、お福が命をかけて直訴に走ると。
それから周知の通り、直訴を受けたグランパ家康が、孫におやつをあげる順序で「長幼の序」を示し、お江にも「弟甘やかしちゃダメでしょがレター」を送り、竹千代=家光が3代目に無事当確となる。もしグランパが長生きしててくれなかったら、おそらく世継ぎ争いで徳川家は分裂していたかもしれない(実際あと数年で家康死ぬし危ないとこ)。
やがてお福は家光と共に権力者「春日局」となり、大奥のルールやシステムを構築する。その秩序と規律のおかげで、大きな世継ぎ争いなく15代目まで徳川の世が続いてゆくってんだから、お福はまさに江戸時代の立役者の一人と言える。
https://www.touken-world.jp/tips/46513/
ちなみに、国松から成長した「忠長」は、やっぱすげえヤバい奴になってて、最終的には父ちゃん秀忠からも勘当され、家光から切腹を命じられてる。その乱れ具合がパない ↓ 統合失調症かもだとか。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/徳川忠長
謎はすべて解けないので見なかったことにして、家光の政策に移ろう。
https://toyokeizai.net/articles/-/411584?display=b
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/島原の乱
そこで、唯一オランダだけはカトリックと違って布教を前提としないプロテスタントだったから「貿易だけしましょ」ってなり、他国の品もオランダ経由で輸入継続。あとは島原の乱で、空き屋ならぬ空き城だった原城に立て篭もられたのを教訓に「一国一城で使わなくなった城は残してないで全部ぶっ壊しとけ!」と解体を進めて、これにてようやく「徳川幕府に死角なし」てとこまでやって、長男の「家綱」に4代目を譲ってから病死する家光。
家光の後追いで、堀田正盛、阿部重次、内田正信ら側近が殉死(後追い自殺)しているが、知恵伊豆信綱らは「生きて遺志を受け継ぎ守る方が大事!」と、そのまま4代目家綱を支えるのであった。とさ。
と言うことで「徳川ザ・ムービー 武断政治編 3部作」が、これにて完結。この時代は、徳川のみならず、豊臣や、織田、浅井の血がまだ入り混じってるので観応え満点。ちなみに春日局も明智光秀の家臣の娘だし。ともかく、これで戦国時代がめでたく完全終了し、真の江戸時代に突入することで、次から「文治政治編」がスタートする。ようやく本来の主旨である町人文化に焦点を当てられそう。なっがいプロローグだったわあ。