No.464 山本近子 銅版画展 '23 10.14 ~ 10.28
ー 銅版画・腐食の魅力 ー
「新神戸の竹中大工道具館で大工道具の数々の展示を観た。長い歴史の中で多様な用途目的に応じ知恵と工夫を積み重ねた道具は機能的であり繊細で流麗なフォルムは美しく魅力的である。私の足を止めたのは世界最古の木造建築法隆寺を建てた道具。加工痕から復元されたものだが手斧(チョウナ)鑿(ノミ) 槍鉋(ヤリガンナ)である。
飛鳥時代に人力でどの様にあの荘厳で美しい 法隆寺を建てたか想像できない。木材の加工だけでも多くの人手と大変な作業、時間、知恵と工夫を要した事だろう。思いを馳せると、山林に立ち樹齢千年以上の原木檜を斧で伐り倒し運び出し、手斧で皮などを剥ぎ削り、鑿で断裁加工。そして槍鉋で面を仕上げてやっと材木となる。人の目と心、手触りで手堅く着実な作業により美しい胴張りの柱にもなったのだと思う。現代ならチェーンソーや大型帯鋸等により一律単純に早く材木となる。
私たちの祖先は凄い。私の中に遺伝情報は繋がっているだろうか。有ってほしい。
今、槍鉋に似た版画道具スクレーパーで銅板の腐蝕痕を懸命に削り取って製作している私が存在しているのです。 (山本)」
「青の過去と未来 (Past and future in blue)-17 」 120 x110mm Ed.10
左:「青の過去と未来 (Past and future in blue)-7 」 365 x450mm Ed.10
中:「青の過去と未来 (Past and future in blue)-1 」 365 x 600mm Ed.10
右:「青の過去と未来 (Past and future in blue)-4」 365 x450mm Ed.10
左: 「青の過去と未来 (Past and future in blue)-9 」 450 x 365mm Ed.10
中左:「青の過去と未来 (Past and future in blue)-10」 365 x450mm Ed.10
中右:「青の過去と未来 (Past and future in blue)-6」 365 x450mm Ed.10
右: 「青の過去と未来 (Past and future in blue)-3」 365 x450mm Ed.10
「青の過去と未来 (Past and future in blue)-14」 150 x365mm Ed.10
左:「青の過去と未来 (Past and future in blue)-2」 365 x 450mm Ed.10
右:「青の過去と未来 (Past and future in blue)-5」 365 x 450mm Ed.10