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青と檸檬

寝物語

2018.09.11 12:51

眠りたい太陽と

報われたい月の間

永久凍土の下から生えた古いアパートの一室で

互いの姿も見えないままに

色違いの36.5度を探し求めたぼくらは

きっと天国の裏側で

その噛み跡を見つけてしまったのだろう

逃げていくハッピーエンドを追いかけて産声をあげたら

おとぎ話の終わりにつづきを描き足そうとした神さまが

今は汚れた裏路地でバナナの皮を投げられていた

世界を形容する言葉をいくつ知っても

きらめきはすぐに時代おくれになった

割れた窓ガラスが降って来たときが一番綺麗な思い出だなんて、笑い話にもならないね


たとえば


君の青いスカートの裾がほつれて

疾走するタイムマシンのドアに引っかかったら

ぼくらは空を飛べるだろうか

宇宙を透かした君の手は

今日と同じに柔らかいだろうか

それに触れたら

そうしたら、きっと

「ほんとう」を思い出せるだろうか


もうすぐ夜が蛍光灯に追い払われる

「夢でもみたの?」って笑ってほしいから

いつか朝になったら

君にこの話をしよう