「東京」さ行くだ、と言った僕たち。
東京に住んでもう10年以上になる。それまでは関西にずっと住んでおり、東京という都市にとても大きな憧れがあった。
上京した当時は、「六本木」や「麻布」という看板を見るだけで、興奮していたのだが、今や全くそんな感情は抱かない。
10年経って仕事柄、都内のさまざまな場所を移動していると、この東京という街にようやく慣れたような気がする。あまり地理的にわからない場所は少なく、それぞれの地域の特性も理解しているつもりではある。
しかし当然のことながら上京当時は、いろいろと場所を覚えるのが大変だった。とても広く、路線は複雑で、読みにくい地名がある。
今にして思うと、地方の大学から進学したかた、また大学で上京したかた、転勤で東京に移動されたかたは、それなりのストレスを感じているのではないだろうか。
会話のなかで東京のエリアの話が出ても話にはついていけない。また歩くスピードは早く、何より何処のお店も混んでいる。なかなか上京直後には、見えないストレスが多いように思う。
これは、都市に引っ越した人間が誰しも感じるストレスなのだろう。しかし、この東京という都市は、世界一の都市である。ニューヨークやロンドンに比べても(行ったことないけど笑)、GDPが高い。しかもなんと60年以上世界一だそうだ。そのなかで、いきなり田舎から上京すると、慣れるのはとても大変だ。
もともと東京は、徳川家康が江戸という街を作り、発展した都市だ。当時、世界一の地下水路を作り、江戸城を中心とした一大都市を築きあげた。関東平野という地の利があり、現在も都市機能は膨張し続けている。
どこまで行っても人が多い印象だ。おそらくしばらくの間は膨張し続け、流入数も増えていくのだろう。これから東京はどのような都市に変容するのかとても気になる。
そんななか、今年も、今月も、また今日も、新たな上京者のかたが生まれている。もしお近くに上京直後のかたがいらっしゃったのなら、東京のかたは多少の配慮をして頂ければ、と思う。我々が思っている以上に日々の生活に疲れているかもしれない。
もしかしたらそれが日本の親切心になり、今後の海外の旅行者へのおもてなしになるかもしれない。海外からの移民のかたもそうだが、地方→東京の人たちへの気遣いも重要なのかもしれない。