いわぶち動物病院

人工甘味料に関して(特にキシリトールは犬猫にとって致死的です)

2023.10.21 01:21

古くはサッカリンからアセスルファムまで、沢山の種類の人工甘味料が登場しています。


ですが、その危険性に関しては、良くわかっているものから、全くわかっていないものまで多気に渡ります。


古くから存在しているサッカリンは特に顕著で、一時期膀胱がんになる可能性が増加する!と言われたこともありましたが、実はサッカリンに発がん性があるのではなく、サッカリンを合成する過程から出る不純物が発がん性の原因でした。

そのせいで、今でもサッカリンは発がん性がある!と言われることもあります。



最近発がん性があると証明された、新しい人工甘味料と言えばアスパルテームです。

アスパルテーム自体は安全な物質ですが、腸で吸収されると、危険な物質に分解されます。


その中でも特に有名と言って良いのが、メチルアルコールです。

工業用アルコールとして使われている、と言うとわかりやすいでしようか。

少量で失明を起こし、多量では死亡してしまいます。

2020年に、何故かイランでメチルアルコールを飲めばコロナが治る!と言うとフェイクニュースが流れ、密造メチルアルコールを飲んで、集団中毒、死亡事件が起こっています。


そしてアスパラギン酸。アスパルテームが分解されると、最も大量に出てくるのがこれになります。

あれ?必須アミノ酸じゃない?と思った人、多いかと思います。

そう、必須アミノ酸なのですが、アスパラギン酸には興奮作用があり、接種し過ぎると神経的な麻痺も引き起こしてしまいます。


人工甘味料は歴史が長すぎて、動物実験では問題なかったものの、あとから人間に害がかることがわかったり、サッカリンのように、誤解によって排除されてしまうこともあります。



そうそう、こんな話をご存知でしょうか。

人工甘味料は当然ながらカロリーはなく、それでも舌は甘みを感じます。

そのため、脳は甘みを感じたけど、血糖値が上がってきてない。

ちょっとちょっと、消化管達何やってんの?

と脳が命令を出します。


つまり、ダイエットのつもりでダイエットコークを飲んだりしたとすると、甘いものがより食べたくなるんです。

もちろん中には、それで甘いものを食べたら意味がない!もっとダイエットコークを!

この繰り返しで、人工甘味料中毒になってしまう人がたくさんいるそうです。

中にはガマンできずに、より太ってしまうひともいるそうです。、


まあ、人工甘味料を摂取しても、インスリンが排出されないだけよいかと思います。

人工甘味料の中でもキシリトール。これは人間には害が無いですが、ワンちゃん、猫ちゃんが摂取してしまうと、実際には糖分を取っていないのに、すごい勢いでインスリンを体の中に出してしまいます。そして、低血糖が酷くなりすぎて死んでしまいます。


ではすぐに糖を入れれば良い、という人もいるでしょうが、摂取した量がかなり少なければ問題ないのですが、殆どの場合、まず、間に合いません。


以上の様に、動物全般に良くない合成甘味料というのは存在しますが、ワンちゃん、猫ちゃんに死亡するほどの影響を与える物はキシリトールくらいでしょうか。


ダメな甘味はブドウやレーズン、ダメな人工甘味料はキシリトール。

よく覚えておくと良いかと思います。