「古志」深川句会(10月)を終えて 2
2023.10.22 19:00
昨日の記事の続きです
第2句座、席題(釣瓶落し、柚子味噌、初猟)です。
(Photo by Aniket Bhattacharya)
釣瓶落しすとんと決まる推敲ぞ 谷村和華子
あっという間に日が落ちるように、
すとんと推敲が定まったわけですが、
その感触といいますか、手応えといいますか、
それは俳人であれば、誰しも心地よいと感じるものだと思います。
みな席題で句を絞り出した後でしたので、
この句を読んだときの爽快感はいっそう大きいものでした。
柚子の皮粗く刻んで手前味噌 上俊一
柚子味噌をことばの上で分解し、
手前味噌という慣用句と掛けるという、
現代の俳句ではあまり見なくなった荒技ですが、
この句においては、とてもうまくいっているのではないでしょうか。
昨今の俳句は「あれもだめ」「これもだめ」と、
みずからを窮屈にしてしまい、虚しくやせ細っていっていると感じているのは、
わたしだけでしょうか。
掲句はけっして洗練されているわけではない、
田舎風の手作りの柚子味噌を自画自賛しているわけですが、
嫌味がなく、むしろ痛快です。
「柚子味噌はこういうのでいんだよ」という作り手の声が聞こえてきます。
「古志」深川句会は毎月第2水曜日に開催しています。
次回は11月8日(水)13:30〜
会場は江東区森下文化センターです。
「古志」の会員の方はどなたでもご参加いただけます。
初心者の方も歓迎いたします。
ぜひお越しください。
入会ご希望の方は「古志」公式サイトまでお問い合わせください。