Load to 30CLIMAX:[フキョウワ]
鋭い切り口の脚本とそれを際立たせるシャープな演出が光った[フキョウワ]。第四節こそ衝空観の圧倒的な集客力の前に屈したものの、第六節ではオーディションにより選ばれた7名のキャストと共に作り上げた作品『echo"anger";』で勝利。残念ながらリーグ優勝には届かなかったがクオリティに関しては2作品ともに高く、団体としての総合評価は全団体中1位だったのではないかという評も多い。
Questionnaire
Q1.リーグ戦を振り返って
【自団体に関して】
残念ながら予選敗退となりましたが、「やりたいことをやる」という今年度の団体の目標は体現できたと感じており、その点で悔いはありません。
また、これまでやってきたことのブラッシュアップだけでなく、オーディションによる演者募集など、これまでやってこなかったことにも食指が動いたのは、30リーグという環境ならではであったと感じています。
【全体に関して】
作品の良し悪しだけでなく、勝負事としての切り口、団体としてのあり方、様々な角度から語り得る面白い企画だと改めて感じました。
まだ第二回なので、今後、続いていくことで更にコンセプトが先鋭化され、発展していくことを願っています。
Q2.リーグ戦(9作品)の最優秀作品は?
D地区『おかえり未来の子』
【選考理由】
滲み出る作家性。閉塞的でモヤモヤと漂う何か。その日常的であり特殊な空気感。
センシティブ故に安易に扱いかねないテーマを丁重に脚本に落とし込み、且つ、その繊細な空気感を役者・スタッフ全員で舞台上に細やかに体現できていたと感じたため。
30分間、舞台に惹き込まれる作品でした。
Q3.リーグ戦(9作品)の最優秀俳優は?
津熊海琴(D地区『おかえり未来の子』)
【選考理由】
モヤモヤと漂う日常的であり特殊な空気感を俳優の身体から空間に伝播させていたように感じた。
自力ではとても拭えない負の空気感を、誇張なく自然体で、かつ作品の流れに沿って劇場全体に伝播させていたところが素晴らしい。
Q4.30CLIMAXのみどころは?
リーグの2戦をオリジナルの短編ファンタジーにこだわり、日進月歩で更なる高みを目指す虹色りきゅーるさん。
対して、異なる作風で振り幅を見せつつ、リーグを突破した演劇ユニット衝空観さん。
勝負という側面で見ると、作風に対するファン層は虹色りきゅーるさんの方が厚い印象。
衝空観さんがその点を跳ね除け、作品のクオリティで、浮遊層をいかに取り込めるかが勝負の鍵であるように感じます。