カレンダー・ガールズ
カレンダー・ガールズ
Calender Girls
2004年6月12日 シャンテ・シネにて 2003年アメリカ:108分:監督 ナイジェル・コール
製作はアメリカ、なんですけれども純粋イギリス映画ですね。
ヨークシャーの田舎の退屈な日々から脱するために、夫を亡くした喪失感を埋めるために、婦人会で作るカレンダーを自分達のヌード写真にしてしまった、という実話がもとになっています。
前半は、もういい年(中年)の主婦達が初めて「自分たちが主役」になるための努力のあれこれ、そしてそれが実を結ぶ様子がテキパキと調子よくユーモラスに進んでいきます。なんだか、婦人会の集まりにうんざりしていた表情がイキイキしてくるところなんて見ていて嬉しくもあり、可笑しくもあります。その中心になって張り切るのがいつまでたっても現役!のヘレン・ミレンですね。もちろん最初はためらいや反対があるのですがヘレン・ミレンは臆することなく前進あるのみだっ!困惑するのはティーンエイジャーの息子です。なんせこっそり隠していたヌード写真集を母がふむふむと参考にするため熟読しているのだから。
後半はめでたく世間の評判になり、アメリカのテレビに呼ばれるまでなったものの、出る杭は打たれる・・・それをスキャンダル扱いにして食い物にしようと群がる人たちとの葛藤になります。(息子はますます困惑&不快)
そんな人たち、世間ににもまれながらも、前進していく主婦たちの努力がいいのです。心強い味方もありがた~く感じる。
普通映画だったら、前半だけで終わらせてしまったかもしれないのですが、後半のあれこれ、があるからラストはじ~んとくるものになっていると私は思いました。
たまたま読んでいた、ジェイムス・ヘリオットの本に出てくるヨークシャーの風景がなんとも美しく、自然にあふれているのですが、同時に刺激の少ない生活なんだなぁ、というのがよくわかる撮影もよかったですね。
日本映画でも去年『ぷりてぃ・ウーマン』というよく似た設定の映画がありましたね。「私が主役!」になるには努力が必要なのですね。