キューティハニー
キューティハニー
2004年6月24日 銀座・シャンゼリゼにて 2003年日本:93分:監督 庵野秀明
わはははは~~~~私はこの映画が好きです。もう、映画でしか出来ない事を惜しげもなく次から次へとやってくれるからとにかく楽しんでしまって、「あ~こういう映画でこんなに楽しんでいいのかぁ~」なんて贅沢な悩みも持ってしまったのですから。
漫画、アニメのキューティハニーは私は知らないので比較はできませんが、これはひとつの独立した「映画」として、かなり完成度高いです。
もう、めちゃくちゃはめちゃくちゃ、なんですけれど、やりつくしていて中途半端がないから、観ていて爽快なんです。つっこみいれさせるようにわざと作ってる。話のタネにはつきない映画です。出てくる人、全員、年齢不詳だし。
ハニー役の佐藤江梨子が手足長くて、スタイル良くてアクションするにも、コスプレするにも全くいやらしくないのが一番良かったところですね。
アニメのパートの方がよっぽどお色気ありますよ。もうサービス精神といいますか、下着姿や制服姿(このOLの制服が一番可笑しい衣装だったかも)もちろんハニーの衣装、見ていて気持ちいいです。
悪役の四天王もね、ブラック・クロウの及川光博をはじめそれぞれの使い方よくわかっているから・・・ブラック・クロウ参上~のテーマを歌い(後ろにはヴァイオリン4人引き連れています)「・・・2番は省略」という言い方ってミッチーそのものですからね。笑いました。
意外だったのは市川実日子がここまで活躍して話の核となっているところです。どちらかというとインディペンデント系映画の女王かな、と思っていたのにこのコメディエンヌぶり。佐藤江梨子のおとぼけぶりと好対照なんです。いいペアですね。
そして、あのしぐさ、ポーズが苦笑というか、脱力のベレー帽の村上淳。(フランス人か、あなたは?)これまた演技派名高い加瀬亮がまた、情けないおまぬけぶりで脇役なんだなぁ。博士役の京本政樹なんて立っているだけなのにおかしいし、それが巨大化しただけでもう、名(迷?)場面ですよね。謎の男、松田龍平がねぇ、NSAのエージェントだったのですね。笑えるなぁ。シスター・ジル様の篠井英介さんと執事の手塚とおるのシーンはもう、舞台でしょう。ちゃんと舞台の人、持って来てますものねぇ。
『下妻物語』と見比べるとおもしろいですね。女の子同士の(男みたいな)友情、独特な世界を作り上げている点は似ているのですけれど、『下妻物語』の毒はありません。むしろ、孤独を描いていますね。それがまたべたべたしてなくて、ハニーのエネルギー源はおにぎりなのですが、おにぎり食べれば、ま、いいかっていうノリ。明るさと暗さの描き方、実は計算されていると思います。
執事役の手塚とおるさんは舞台『黒いチューリップ』が初舞台って知って、あらまぁ、私は1983年の『黒いチューリップ』観てるのです。今度、誰かに自慢しようっと。