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「じゃあどうすればよかったんだろうね」

2023.10.24 10:51


思い出が遠ざかるたび

連続していた波の音が

鼓膜を震わせる


雪の結晶として

それは夢の中にいた幻燈だったし


夏の火に灼けた虫たちの

さざめきのように

終わらない唄は後悔をまぶして


遠くにいきたかったって言う




 犬の瞼が、ありがとうをいうたび誇張されてゆく。大きく収縮したそれは自尊心と共に肥大していって、まもなく見えなくなる。


 歌とひなげしの関連性について、5歳がまくしたてる演劇場の数々。それらは連続していて、雲の切れ目ひとつさえ、わたしを踊らせたと思う。



 いつも雪の中にいる。それを、かけがえのないことと思ってる。バスに揺られ、毎日を計算しながら、ある日一枚の紙を拾う。それがなんだったとしても、いつも、「しねばいいのに」と書いてある。なんでしが漢字でないのか、思ってそれで目が覚める。



 明け方の月が一番綺麗だって先生はゆってた。記憶の先生は、いつも嘘か本当かわからないことをいう。ひなげしがちりぢりになる。わたしはどこへ帰ればいいのかわからなくなる。夢の中にいたかった、という伝言は、ルージュみたいに電車に轢かれて消えるんだよね。じゃあどうすればよかったんだろう。いつもこういうことを考えてる。