時間の核・時点の核
ひとつの時間の核。
その核に向けて色を染めていく。
ひとつの時間の核。
ある作品が出来上がる時点。
その時点に向けて
心を注ぎ、時間を月日を注いで行く。
その時点の核が
夜明けのように、その時点が輝く瞬間を見たくて
時を命を注ぐ。
その向けて行く時、そのプロセスの極め、純粋さと高尚さが その格付けではないが、
その場のクオリティー、クライアントのクオリティーと 合いまじること、
光合することで、
お互いの未来のエネルギーとなって行く。
時は命なり〜
気づけば9月も半ば。 暑かった名古屋でのExhibitionを終え、半月以上が経ってしまった。
酷暑に気がフレタように染めていたせいか、 今回は、体調が戻るまで10日以上かかった。
その間に、高松のExhibitionの日程変更で新しく案内のDMを作ったり、
次の東京でのExhibitionの DMをデザイン入稿。
問い合わせのやり取り。 時間って、1日って、こんなに早く過ぎるものなのかと。
時は金なり。いや、時は命なり。
大切な時間を、大切なことに、本当に心から喜ぶこと、
曇りのない心で命ある時間を使いたい。
今年の夏は、酷暑とともに、天候も荒れた。
アトリエ前の川の表情がいくつも変わった。
大きな地震もあった。 今、季節の秋色が、地球の額縁にはまったようで、
その入れ替えの後の掃除をするかのように
川が時の中にあった、汗や様々のもを流しているようだ。
大切な時間・大切な在り方
少し先のことになるのだが、
そのことの色々な準備のために デコレーター時代に頻繁に通っていた
仕入先の大きな造花屋さんへ行った。
私のデコレーター時代は、19歳から40歳まで。
激しく創作活動をした。 アミューズメントパーク、JRタワーのオープン、
名古屋の名所、7mの大きなナナちゃん人形 を花と布で飾った。全国を回った。
2m超えの花器、孟宗竹を5mの高さに組んで、花を生けたり大きな仕事を たくさん仕上げてきた。
葉っぱ、その一枚が裏返っていることにこだわったり、 激しく集中して制作施工。
もっと、もっとクリエイティブにと、デザインも準備も現場でも、自身を追い込む。
そして、「一点の日の出」を目指して、
ある意味、これが本当の瞑想だよな。
そんな意識不明的な 極めたものづくり。
久しぶりに行った造花屋さん。 また花が組みたくなった。
グリーン、植物系だけのグラデーションで壁やアレンジ。
私は、色に、すごくこだわっていたなぁと懐かしくなった。
そして、手が疼いて、また花を軽く組んでしまった。
少し人と違った私らしい、花のオブジェやアレンジ。好きだったな。
そういえば、見積もりは、自分が握った手の感覚でだったな。
施工する空間と私の掌は、繋がっていて交信しているようだったな。
今でも、きっと、そこに集中すれば、ピンな作品は作ることができるだろう。
昨日、私の心は、そんな欲望が湧いてくること感じながら その欲望の流れは、
過去の時間軸へ、肉体も景色へと連れて行った。
15年ぐらい前かな、 40歳を迎える頃、
激しく、一直線でディスプレイの仕事をしてきたのに
何かが自身の価値観の中で変わったのか、違和感を感じた。
その違和感の奥の心の言葉は、 「消耗品の仕事をしたくない。」
それとともに、 ずっと、色にこだわってのディスプレイやオブジェ、花のアレンジ。
色を、色の心を大切にした空間づくりをして来た20年。
「色を、色だけを追求したい。」
「色の人になりたい」 と、
そこから今の私に至る。
デコレーター時代は、ゼネコン、大手の花屋の装飾部からの仕事が多かった。
その頃の仲間、取引先の窓口になっていた設計士、ガーデンデザイナー、
みんな変わり者が多かったような。
モノノケ、モノノケ。
現場で、今日は、何日めの徹夜? そんな会話は、毎度のご挨拶。
素敵な仕事をと、良い仕事、いいものを作るために走っていた。
そんな仕事仲間も それぞれの得意分野、極めたい分野をベースにして独立している。
先日の名古屋のExhibitionには、その頃の仲間が何人か来てくれた。
その中の一人のS君とは、25年の付き合いになる。
彼は、英国のガーデニングショーを見に行ってから、 ガーデナーの方向を極めたいと。
現在は、ちょっと有名なガーデナーとして独立している。
英国で有名なチェルシーガーデニングショー↓
そんな彼と、ある現場(仕事)のことで話をた。
あの頃を経ての現在の仕事への取り組みと人生。
やっている仕事の形は、変わったけれど、
根本にある哲学というか、根本にある表現したいことと、心のあり方は
何も変わっていない。そして更に極めようとする本能。
同じ立ち位置であることが嬉しかったり、答えが見えたりと。
そんな話をした次の日、NHK・BSハイビジョン・プレミアムカフェ
を見た。
何もない場所から、イメージをしてガーデンができるまで。
庭園デザイナーの石原和幸氏のガーデンができるまでを中心にレポートした番組だったが、
アクシデント、ものづくりの構想、現場でのクリエイティブ。
番組を見ながら
自分の昔の現場、仕事の時の光景や心の流れなどが、走馬灯のように流れた。
今、umu-waka、waka-nuditéとして10年
ストール、染めの中にいる。
もう10年か。。。。。。とも思うが、
社会人として、物作り、クリエーターとして34年。
その時が、その時の重ねが
今の物作り、染めの形にあるんだろうなと。
長い物作り人生、アーティストとしてしか生きられない自分を確認した。
5歳でミシンを踏み、
10代で好きな色の靴が欲しいと染めた「わかやま まゆみ」
面白い人生を選んだ、面白い人生の脚本を書いたもんだなと思った。
そして
やはり一番大切にしたい「在り方」
不器用なのかもしれないが、その「在り方」が古い仲間と同じだったこと。
大切な時間を、
大切な在り方で、
丁寧に味わいながら生きて生きたいと思った。