トーテムポールのような
今から20年前の話ですが、小学生の時に友達A君と、A君母の生霊?的なものに遭遇しました。
A君母は仕事に行っていて、私たちはA君の家で昼寝をしていました。
時間は15時くらいでした。
すると、玄関の方の駐車場に、A君母の車の音が聞こえました。
私たちの寝ている部屋から玄関までは大体5Mくらいで、
古い平屋建てなので、外の車の音は普段から聞こえます。
普段なら帰ってこない時間帯なので、A君と顔を見合わせ、
「?」
という顔をお互いしました。
次に玄関が開く音が聞こえ、私たちの寝ている部屋に歩いてくる足音も聞こえました。
私たちは何ともいえない妙な気分でした。怖いとはちがう、胸騒ぎを感じていました。
足音が部屋の前で止まり、襖がすーっと開きます。
ちょうど【人の顔】が収まるくらい開いている襖に、【顔が5つ】縦に並んでいました。
例えるならば、トーテムポールです。
上から2つ目がA君母の顔でした。
5つ並んだ顔はどれも無表情で、ただ【色】だけが、肌色⇒青⇒赤とどんどん替わっていきます。
私たちは無言で、その光景を寝ながら見上げていました。
不思議と恐怖はなかったです。
しばらくすると、その【トーテムポール】は消えました。
私たちはそのまま1時間以上無言で天井を見上げていました。
その後、17時すぎでしょうか。A君母の車の音が聞こえ、今度は本当に帰って来ました。
私はそのあとすぐに帰宅し、【トーテムポール】の1件は誰にも話しませんでした。
A君とはその後、いろいろありましたが、小学校を卒業するまで交流が続きました。
中学生になり別のクラスになってからは、自然と遊ばなくなりました。
しかし、中学3年になり、同じクラスになったのをきっかけに、また一緒に遊ぶようになりました。
私は、その頃には、例の生き霊?らしきものを、もしかしたら自分の夢だったんじゃないかと思い始めていました。
そして、思いきってA君に聞いてみました。
私「あの顔が何個も並んどったやつ、おぼえとる?」
A君「おー、やっぱり本当に見たんやて。おれら。」
二人の記憶は、細部までディテールが一緒で、間違いなく、何かを見た。
体験をしたことが、お互い証明できて、うれしく思いました。