ネコのミヌース
ネコのミヌース
2004/04/29
ポレポレ東中野
なんといっても緑(オリーブ色)一色のスーツの人間になってしまったミヌースのなんとも上品なお嬢様風の
雰囲気が好きです。
それでいて、屋根を伝って歩くというファンタジックな絵が好きですね。
ペルシャ猫のモールチェおばさまからしたら、しっぽもなくて、人間の臭いがして、なんて格好をしているの(怒)
なんですが、持っているかばんも緑、かばんの中身も緑の小物ばかり・・・
猫がなんで人間になっちゃったの?とか詳しくは描かれなくてもミヌースの猫の動きには口元がゆるみます。
上品なたたずまいなのに、ダンボールの中で寝ていたり、魚、となるととたんに食い気に走って暴走してしまう
あたり・・・
猫年齢なものですから、若いのか、老けてるのか、ちょっとわからないミヌース役のカリス・ファン・ハウデン、好演。
猫たちの描写もへんに擬人化していなくて、アニマトロニクスの使い方の正しい例。
猫たちのキャラクターが豊かなところもおもしろく観ました。
もとが児童文学なので、まるで児童文学を読んだような後味です。
悪者もわかりやすいですが、悪意を持って描かれていないし、安心して気持ちよく観られるファンタジーです。
最後、窓から入ってくるミヌース、背後に雪が舞う映像がとてもいいです。
吹替え版だったのですが、ミヌースの室井滋さんもいいですが、新聞記者、ティベの声が利重剛監督で、
声優さんとしても上手い器用な人ですね~感心。
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2008年3月15日 DVDにて
4年ぶりにDVDで再見。いや、もう、4年前になってしまったのですね。
こうして観ても本当によくできた映画です。
よく出来た・・・というのは、猫をこれだけ使った映画、猫映画ってめずらしい。
特撮もあるのでしょうが、いかにも・・・というのがなく、とても自然で、本当に猫、演技させている・・・犬と違って
猫に演技させるのは難しいことだと思うのですが、それをさらり、とやってしまっているのがいいです。
寒い国の猫って尻尾が長いそうですが、このオランダの猫たちは皆、尻尾が長くて、走る時そのしっぽを
ピンと立てて走る姿がかわいらしい。
悪い人を、追跡するときに、逃げも隠れもせず、ただ、ピタと静止するだけの猫たちって、考えてみればすごい
絵でした。
子供むけの映画、としてもすぐれているので、ゆったりとしたカット割りですが、子猫ちゃんたちが
捨てられちゃった!大変!とシモンの誘導で、ミヌースとビビが子猫救出するあたりのカット割りはものすごく
細かくて、はらはらしますよね。
他愛のない話、といってしまえばそれまでなのですが、それでもこの映画は、観ていてとても気持いい。
オランダの街の石畳の道、屋根の様子、寒さが伝わってくるような空気・・・とてもいいですね。
今回、猫たちも良かったのですが、この映画のティベという新聞記者は、人と話すのが苦手で取材が下手。
仲良しなのは、大家さんの娘、ビビだけ、というのも、ちょっと孤独感があっていいです。
ビビちゃん、という女の子が意外と大活躍するのでした。
ビビちゃん、学校で着るジャージが日本と同じ。オランダと日本の共通点は小学生のジャージでした。
猫って表情がないのですが、その微妙な表情を大げさでなく、でも、ちゃんとわかるようにきちんとしている・・・
この映画の完成度ってわたしはとても高く評価しちゃいます。
今回は字幕版で観てみました。