魚と寝る女

魚と寝る女

2004/03/05

（ ビデオ ）

韓国　キム・ギドク監督2000年監督作品。英語タイトルは"The Isle"

湖に浮かぶ黄色、青、紫、緑・・・のカラフルな釣り宿船。そしてその岸辺に住む一人の女。

そこへ自殺願望の男が黄色い船宿にやってきて・・・女に魅入られてしまう。

衝撃的に美しくて、残酷。

キム・ギドク監督の水へのこだわりがまずよくわかります。

そして、人間=魚としてとらえる、ユーモラスで残酷な描写の数々。

魚を釣る=人間の欲をみたす・・・という寓話的な部分を台詞を極端に少なく映像で描いていきます。

岸辺に住みボートで船宿を回る仕事をしている女は、声が出せません。理由は描かれないけれども

「過去の傷」がよくわかります。

『悪い男』のハンギも声を出さないのですが、台詞でなく表情、動きで、そして美しい風景と残酷な描写で

映画を完成させている監督の感性がとても好きです。

公開時、あるシーンでは失神者が出たそうですが、美しくも壮絶で息を飲むシーンでした。

ゆらゆらとカラフルな船宿が美しい湖に浮いているという風景がとても好きです。

また、夜のシーンが多くて、闇の中の水という怖さも十分に描かれます。

このビデオはコリアンエロスの棚にあったのですが、ちょっとこの分類は借りる人によっては予想と期待を裏切るものかと(笑)

この映画でキム・ギドク監督の他の映画が公開されるのが楽しみになってきました。