7月26日(木)『BS句会平成30年7月』
渋谷のニュージープラットホームに行き、BS句会に参加。5句提出し、2句選ばれて、うち1句、特選に選んでもらえた。
提出句は、兵児帯や金魚の尾鰭藍浴衣、水打てば幼き日々の香して、副都心吹き消し渡る大夕立、透かし見て玉音愛でるラムネかな、働かぬ蟻も蜂ある酷暑かな。の五句。
兵児帯や金魚の尾鰭藍浴衣
藍の浴衣を着て、兵児帯を締めた後ろ姿を見ると、蝶々結びをしていて、その先が、風にひらひらと、揺れていた。その様子が、まるで金魚の尾鰭のようであった。しかも藍色の水の中を泳いでいるように感じた。
水打てば幼き日々の香りして ななこ、メリハリ並選
暑い最中、地面に水を打ち、少しでも、涼を呼ぶ工夫を、昔から日本人はしてきた。地面に水を打つと、土ぼこりが上がり、時にはかび臭い匂いもするが、その埃の匂いを嗅ぐと、子供の頃の様々な思いが様々な浮かんでくる。
副都心吹き消し渡る大夕立
NHK放送センターの13階のラジオセンターから新宿副都心のビル群が一望できるが、実際に見た光景を句にした。夕立が新宿副都心を襲う。今まで見えていた高層ビルが、暗い雲に包まれると、代々木公園を挟んだ反対側のNHKの側でも雨が降り出し、黒い雲がいつの間にか、副都心の高層ビルを飲み込んで、ビル群が全く見えなくなった。ひと時激しい雨が降ると、空に青空が見えて来て、雲に隠れていたビル街も、再び見えてきた。
透かし見て玉音愛でるラムネかな
ラムネは、一気飲みできない飲み物だ。瓶の口の中に丸いガラス玉が入っていて、一口飲むと、球が入り口を閉める形になり、ラムネがたくさん出てこないのだ。そうすると、いったん瓶を縦にして、玉を落とし、再び口を付けて飲む。この時、ガラス玉が、瓶の中で、カランコロンと、澄んだ音をたてる。一口飲んでは、玉の音を聞く、ラムネは美味しいが、ガラス玉の音も、耳に心地よい。
働かぬ蟻も蜂ある酷暑かな
働きバチ、働きアリと言う言葉があるように、蜂や蟻は、暑くても働き続けているように思っていたが、中には働かない蜂や蟻もいるそうだ。酷暑の季節には、働かない蟻や蜂もきっと多いだろう。