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臍帯とカフェイン

オノマトペ研究所

2023.10.26 18:19

【配役】


博士


助手


性別不問


所長:遅いじゃないか、助手くん

助手:すいません、博士、思いのほか物が売ってなくて……。

所長:ふむ、時期的に入手が難しかったか。

助手:はい……あ、でもなんとか最大の伝手を使って入手することに成功しました!

所長:でかしたぞ!助手くん!これでようやく我が研究所の成果が世に発表できる。

助手:はい!さっそく取り掛かりましょう!

所長:うむ、では本日のテーマである「まだ青いバナナを噛んだ時の効果音」を決める会議を始める。

助手:はい!!所長!!

所長:どうしたのかね?

助手:まず通常のバナナの効果音を決めるべきかと思いますが!

所長:ばかもの!!!

助手:えっ!?

所長:通常のバナナの効果音は大昔から「もにもに」に決まっておる!

助手:も、「もにもに」ですか!?

所長:そうだ、ほら、本物の通常のバナナを食べていると思って効果音を言ってみろ。

助手:は、はい。では、いきます。「もにもに」

所長:どうだね?

助手:ほ、本当だ……!「もにもに」で間違いないです!所長!

所長:その通り。ちなみに熟れすぎて黒くなっているバナナは……

助手:「ねちょもにゅ」

所長:!?

助手:ふふ、僕だってこの研究をして長いんです、それくらいわかりますよ。

所長:……ふっ。この研究所の未来は明るいな。

助手:所長……。

所長:さあ、では本題に入ろう。今回の効果音「青いバナナ」は通常のバナナと比べて何が違うかね。

助手:それはもちろん、硬さですね。

所長:となると、硬めであることを表す表現が必要になる。

所長:「めりめり」これなんてどうだろう。

助手:「めりめり」……たしかに、あの青いバナナの硬さはめりめりとした硬さも感じますが

助手:少し硬すぎるような気もします。

所長:ふむでは、「がぶりがぶり」ではどうじゃ?

助手:試してみます。「がぶりがぶり」……うーん、少し果汁感が強すぎる気がしますね。

所長:くそう!!!ここまでか、我が研究所はここまでなのか!!!

助手:所長……

所長:30年、30年だぞ、この研究にすべてを費やしてきた。すべての物に効果音・オノマトペを。

所長:んもー!!どうしようもないのか!!!打つ手はないのか!!

助手:……所長、今なんと?

所長:……え?だから、打つ手はないのか!と。

助手:ち、ちがいますよ、その前です。

所長:その前、だと、えーっと、「んもー」?

助手:それ!!!それですよ!!!「んも」!!!

所長:なん、だと?

助手:青いバナナ、いわゆる生バナナの硬さを表現する最上級の効果音!

助手:硬すぎず、柔らかすぎず、そしてなおかつ「果汁感」の少ないもってりとした音!!

助手:歯が果肉に差し込まれたときのあの音は!!「んも」!!

助手:これですよ!!!!

所長:おお……おお!!!!助手よ!よくやった!素晴らしい!その通りだ!

所長:「んも」「んも」本当だ、あの硬い果肉に歯がつきささっておる!

助手:そうですよね!!!!やりましたね!所長!!!!

所長:素晴らしいぞ、助手くん。

助手:あとは……そうですね、歯が果肉を斬ったあと

助手:ねっとりとした柔らかさが表現できたら……

所長:「にゅち」

助手:……え?

所長:「にゅち」以外ありえん。

助手:「んも」と「にゅち」……こ、これですよ、所長!!できました!!

助手:生バナナの効果音は!オノマトペは!

助手:「んもにゅち」ですよ!!

所長:「んもにゅち」

助手:「んもにゅち」

所長:「んもにゅち」

助手:「んもにゅち」

所長:素晴らしい!!!決まりだな!!

助手:はい!幸先がいいですね!では次の効果音ですが……

所長:「ナタデココを歯で嚙み潰した時の音」だな。

助手:そんなもの「きゅちー」じゃないですか。

所長:ああ、「きゅちー」だな。

助手:「きゅちー」

所長:「きゅちー」

助手:「きゅちー」

所長:「きゅちー」

0:世の中にあるすべての物に効果音をつける。

0:「オノマトペ研究所」

0:すべての物の効果音を決める会議は永遠に続いた。

所長:では、次の効果音だが……


※この台本はこのあと、演者さん2人で新しいオノマトペを作成していく台本となります。

ぜひフリーにアドリブで、新しいオノマトペを作成してください。