いわぶち動物病院

歯石予防と歯石除去

2023.10.28 01:28

歯石に関して、一番重要になるのは予防です。

人間と異なり、ワンちゃん猫ちゃんは、虫歯になる前に歯石が付着していき、そのまま歯槽膿漏になっていきます。


そのため、歯石が付くことそのものを予防するのが重要なんですね。


当院では海藻の匂い、味のするふりかけタイプと、無味無臭の水に混ぜるタイプの歯石予防のサプリメントを販売しています。

特にふりかけタイプは、当院で飼育している猫ちゃんのチビに対して、8年間も使用しており、史跡が全然付かないことがわかっています。



では予防がうまく行かず、歯石が付着してしまった場合はどうするか?


こうなると、全身麻酔下で超音波による歯石除去機で歯石を除去するひつようがあります。

その後、歯の表面を研磨機で綺麗にして、歯石を付きにくくし、予防する、というサイクルに入ることができます。


ただし、残念ながら、小さい頃から予防している子と比べると、完全な歯石の付着を防ぐのはむずかしいようです。


また、なぜ全身麻酔下なのかというと、麻酔をかけずにスケーラー(下の写真のようなやつです)

でカリカリと歯石を除去すると、歯全体に細かなキズが出き、あっという間に歯石が付着するようになってしまいます。

しかも、その後研磨しても、歯石が付着しやすくなったままになる、という厄介な体質になります。


当院で、麻酔をかけずに歯石を取るとしたら、歯石が体積し過ぎて、歯槽膿漏になっているのに膿が出せなくなっている場合。


こういう時、鉗子で一瞬でペリッ、と剝してしまいます。

あくまで一箇所だけですが、歯にダメージを与えずに歯石を取ることができます。


ですがやはり、あくまで応急処置になります。


全身麻酔下で超音波スケーラーを使用して歯石除去、その後研磨機で歯の表面の細かいキズを消す。


以上が最も正しい歯石除去の方法になるわけですが、歯石が相当に溜まっている場合、年齢もそれなりに行っていることが多いことから、その分危険性が上がってしまうことも、また厄介な点になります。