さくら坂税理士法人(旧:河野太一税理士事務所)

法人で建てるか個人で建てるか

2018.09.18 12:04

 相続対策のためにアパートを建てましょう、

マンションを建てましょうと

言い寄ってくる不動産業者は結構あります。

そのような提案はまずいものが多いのですが、

収益性高く、非常にやりがいあるケースもあると

思います。都心の交通の便がよいような

場所で個人商店をやられていた方などが、

古い商店を取り壊して新しく

マンションを建てるなんていうケースはうまく回る

ことが多いような気がします。あとは商業地や

交通の要衝で良いテナントが見込める場合などなどです。

 そのときに、法人で建てるか個人で建てるかは

きちんとシミュレーションが必要です。

当然その経営をどのように舵取りしていくかという

事業承継の問題もありますが、相続税に対する効果は

一長一短となります。

法人で建てますと所得の分散効果が出てきますし、

いろいろと経費の幅も広がりますが、

個人の相続財産の減少にはすぐにはなりません。

 一方、個人で建てますと建築代金が

固定資産(建物)に置き換わりますので

完成して賃貸しますと、財産評価上大きく下がることになります。

 よって、短期的に考えますと個人の方が得なのですが、

法人の方が賃料収入を後継者等へ

プールしていくことがやりやすいので、

損益分岐点がどこかにあり、

長期的には法人の方が得という

シミュレーションが一般的には描かれます。

 なお、建築途中に死亡してしまった場合には

投下資金で評価されてしまいますので

短期的効果を狙って結局間に合わなかったということも

十分想定されます。