国家資格化に向けて奔走した日本動物看護職協会。会長から見る愛玩動物看護師の未来 Vol.9【最終回】
獣医療において愛玩動物看護師の革命は起こるのか?
プロフェッショナルインタビューシリーズ
ゲスト
・横田淳子(一般社団法人 日本動物看護職協会会長、愛玩動物看護師)
■日本動物看護職協会は離職率の高さを変えるために、勤務年数10年を目標にする!
生田目:日本動物看護職協会は今後、先ほど挙げてくださった「7つの軸」の中で、どこから注力していくのか、イメージを教えてください。
横田:協会として注力していきたいことは、定款「1、5、6」にあたる内容で、具体的には愛玩動物看護師の専門分野の立ち上げ、勤務年数の向上、協会を愛玩動物看護師の拠り所にしていくことです。
特に2つめの勤務年数の向上は国家資格化になる前から課題として挙げられてきた「離職率の高さ」を受け、具体的に勤務年数10年を目標としています。
また、2027年4月末に現任者の移行措置が終了した時点で、本協会は国家資格取得者のための職能団体となります。組織形態も変えていく中で保険制度の提示や協会として顧問弁護士の雇用などの整備を行っていきたいと考えています。
生田目:ありがとうございます。我々企業側として何かお手伝いできることはありますか?
横田:企業の皆さまにはぜひ愛玩動物看護師を支援する姿勢を常に持っていてほしいです。
愛玩動物看護師の国家資格化は関係団体から反対意見が一つも出なかった資格です。この職業を継続していくことが動物病院業界を盛り上げていくことでもあるため、ぜひ企業の方々にもご協力いただきたいと思っています。
生田目:ありがとうございます。私たち企業側もご期待に沿えるように尽力していきます。
そのうえで、これからもっと彼らの活躍の場が広がり、飼い主さんと動物たちとの生活の中でより重要な役割を果たす要となってくれることを期待します。今回は大変貴重なお話をありがとうございました。
横田:こちらこそありがとうございました。これからも情報交換をしながら、一緒に業界を盛り上げていければと思います。
横田 淳子(よこた じゅんこ)
- 一般社団法人 日本動物看護職協会会長
- 有限会社横田動物病院マネージャー
- DOG HOUSE MOMO主宰
- 愛玩動物看護師、臨床検査技師
1993年、獣医師である夫の開業を機に動物看護の道に入る。2008年、動物看護職の全国組織設立のための準備会メンバーとなる。2009年、一般社団法人 日本動物看護職協会設立、設立時より理事を務める。2013年には、動物看護者としてはじめて会長に就任し、2019年6月動物看護職の永年の悲願であった国家資格化、「愛玩動物看護師法」制定に尽力した。
現在も会長として動物看護者の発展に努めている。