2023年11月のメッセージ
朝夕の空気がひんやりと感じられる11月を迎えました。
それぞれの場所でいかがお過ごしでしょうか。
秋の江津湖周辺はとてもおだやかです。
熊本は晴天が続いていて、空は透き通るようにどこまでも青く、オレンジや濃い紫などシックな色合いの秋の花々が咲き乱れていて、その美しさに思わずため息がこぼれます。
この季節の江津湖は、どこを切り取っても絵葉書になるような輝きに満ちています。
秋が大好きという方がいらっしゃる一方で、この時期は体調が崩れやすい、またはアレルギーが出やすくてつらい、とおっしゃる方もいます。
季節の感じ方も、人それぞれですね。
アーユルヴェーダ理論は気候や年齢と上手に付き合っていくための”知恵袋”のような存在で、私は生活の拠り所として取り入れています。
ただ、人にはそれぞれに積み重ねてきた”オリジナルビックデータ”がありますので、外からの情報ばかりをうのみにせず、自分の経験から得た知恵を活用して、うまく自分の肉体や心と付き合っていくことが大事なのではないかな、と感じています。
季節は冬へと向かい、さらに乾燥と冷えの季節になります。温めて潤すこと、疲れすぎないように、うまくスケジュール調整しながら、自分をいたわる時間も大切にされてくださいね。
特に夕方は予定を入れすぎないように、大切な用事はできれば午前中に済まされることおすすめします。
スタジオでのヨガレッスンでは、10月に引き続き、ヴァータ(風のエネルギー)を整えるために、骨盤域や鼠径部(足の付け根)を意識した、ゆっくりめのヨガを行っていきます。
いつも穏やかなヨガを心がけていますが、秋から年末にかけてはソワソワする気持ちを落ち着けるように、さらにゆっくり動きます。
そして、気持ち程度ではありますが、よりマイペースにヨガに来ていただけるよう、チケットの期限延長と単発ご参加の値下げをさせていただきました(詳細HPトップページをご覧ください)。
行事やイベントもひと段落するころです。
久しぶりにヨガしたいなという方も、これからヨガはじめてみようかなという方も、両手を広げてお待ちしています。
11月で、aozora yoga kumamotoは7年目に入りました。
素晴らしい出会いと、学びに感謝の日々です。
生きているといろいろなことがありますが、しんどいことを乗り越えた後には、それ以上の幸せがやってくること。
それを、身をもって実感し続けた6年でした。
これからもヨガを通してたくさんの方に出会い、ヨガの智慧を分かち合っていけたらと思っています。
10月はたくさんの方から旅行のお土産や旬の食材を頂戴して、飛び上がりたいほど嬉しかったです。
特に、旅の思い出話と共にいただくお土産は、私もその場所や空間に連れて行っていただいたような気持になり、居ながらにして旅をしているような気分を味わさせていただいています。
最近、旅に出ましたか?
旅に出るとしたら、どこへ行きたいですか?
私は、11月にある用事で、ひさしぶりに近県へ単身ショートトリップに出かけられそうなので、今からとても楽しみにしています。
日常から離れて新しい経験をすることは、五感を開いてくれますし、日常のありがたさを再確認する機会にもなりますよね。
11月は気候も穏やかですので、気になっていた場所に思い切って足を運んでみるのもよいかもしれません。
私の近況ですが、このところ、数年続いている不調のトンネルを抜けつつあるような気がしています。
そして、だんだんと新しい感覚が湧いてくるのを感じています。
なんだか、とてもふわふわした、不思議な感覚。
無意識に物事の優先順位が入れ替わり、いい意味でおおざっぱになり、視覚よりもその他の感覚、例えば聴覚や味覚、触覚などで感じる情報に敏感になってきていると思います。
老眼が急速に進んでいるからではないか、という気もしないではないですが…。
音の聞こえ方も変わってきました。
この季節は、ヨガのレッスン中を窓を開け放っているのですが、家の外の音がとてもはっきり耳に飛び込んできたり、自分で唱えるマントラやティンシャの音が、まるで光の粒子のように感じられることがあります。
コーヒーやお茶、ワインなどの香りや味も、輪郭をはっきりと感じるようになりました。
反対に、オンラインのような画面越しのコミュニケーションがとてもしんどく感じられます。
これは、なぜなのでしょうか。
アーユルヴェーダでは、年齢と共に体質(ドーシャ)が変化する、と言われています。
また、古いインドの考え方では、四住期といって、人生を4つのステージに分ける考え方があります(学生期、家住期、林住期、遊行期)。
私は今、火のドーシャから風のドーシャへ。そして家住期から林住期への移行期間なのかもしれません。
人間の身体や感覚も、季節が巡るように変化していきます。
変わりゆくさまに戸惑うこともありますが、見えるもの、見えないものの変化を受け入れられるしなやかさを持つには、『自分の中の変わらないもの』に確信を持つことが大切だと、インド哲学では説いています
ヨガ哲学では、”周りに振り回されずに心おだやかに生きる境地=内なる小宇宙に気付く”が人生最大の目的地となります。
そのための実習にはたくさんの方法があります。
社会的ルールや人間としての道徳的規範を守ること、目の前のことに集中して気を散らさないこと、結果に執着しないこと、決めたことをやり続けること、正しい(聖なる)知識を身につけること、など。
肉体の変化に翻弄されつつも、感覚が研ぎ澄まされて、自分の本質に迫っていけるのも、年を重ねる素晴らしさだと思います。
もし、今体調不良や気分の優れなさを感じているのであれば、それは自分の本質と向き合う貴重なきっかけなのかもしれません。
自分の中の変わらないものを探す旅、それ人の生きる道なのかもしれませんね。
同じ旅ならば、ぜひ、楽しくいきたいですね。
楽しくいきましょう。
年内は2つのワークショップを予定しています。
11月30日(木)は、今季最後の『YOGA座学会』を開催いたします。
(満席となりました!)
座学会では、これまで主に古代~紀元後8世紀ごろまでに構築されてきた、インドにおける心の在り方や生き方とそのルールについて学んできましたが、今回は現代ヨガのイメージに近い、『身体コントロールとしてのヨガ』である、ハタヨガについて学びます。
数千年に渡り、人の心と感覚の在り方を考え抜いてきてインドでは、1500年ごろから肉体について意識を向け始めます。”実は人間の身体は扱い方によっては素晴らしエネルギーを生むのではないか!?”という考え方で、当時、中央~東アジアを席巻したタントラ哲学がその考え方のベースとなっています。
今回も時間が限られていますので主なポイントを抑えることに集中しますが、実践を交えながら、チャクラ、バンダ、ムドラ、呼吸法(プラーナーヤーマ)などについて理解を深めたいと思います。
また、12月17日(日)は、初めての試みとして、近くの市立総合体育館の広い和室をお借りして、みんなでヨガをしよう!というオープンクラス『ととのう季節のヨガ(冬至)』を開催いたします。
産後ヨガに参加していたけれど復職して平日レッスンに参加できなくなってしまったな…という方、江津湖早朝ヨガに来られていて週末なら参加できそうという方、その他これからヨガを始めてみたい方など、どなたでもご参加いただけます。
1年間がんばった自分をゆっくり労うような、おだやかな内容にする予定です。
ご都合合いましたら、ぜひご参加ください。
秋になったらあれをしよう、あそこへ行こう、と夏中考えていたのに、
いざ気温が下がると、ぼーっとしてしまい、ソファに座ったまま1時間が経過していることもしばしばです。
私はぼんやりとしていますが、世の中が急に忙しくなり、子育てやお仕事で息つく暇なくお過ごしの方も多いのではと思います。
ヨガの素晴らしさは、自分が本来持っているくつろぎや幸せの感覚を引き出してくれることです。
誰かに何かを与えてもらうのではなくて、自分の持っている宝物に気づくためのツール。
これから年末にかけて、To Doリストがいっぱいだ!という方もいらっしゃるかもしれませんが、1日5分でも目を閉じて、自分の呼吸に意識を向けてみてくださいね。
そこにはきっと、静かで平和な空間が広がっているはず。
私も、時々目を閉じています。
そして、いつも会いたい方の顔が浮かびます。
どうぞ、心も体もお元気で。
お会いできる機会を心待ちにしています。