「市職員・教職員の人事評価の問題点」
私、維新の党 千葉市議会議員 岡田慎は、平成26年9月30日(火)に、「市職員・教職員の馴れ合い的、横並び的な人事評価と、評価のかさ上げ問題」について、定例会で一般質問を行いました。
1.市長部局職員の成績区分分布率は、5段階中、標準以上の3~5ランクが約98.7%を占め、標準未満の1~2ランクが全体の約1.4%と、実質的に3段階評価の歪な分布となっており、下位評価を付けない傾向が顕著である。【表①上段参照】
2.市長部局職員の人事評価に関しては、絶対評価をベース(1次評価)としながらも、上位ランクの5と4だけ出現率(分布率)を設定し(管理職についてはランク5が全体の10%、ランク4が全体の30%と設定。非管理職についてはランク5が全体の5%、ランク4が全体の25%と設定【表①下段参照】)、昨年度は1次評価で評価が4であった職員306人について2次評価での評価5へのかさ上げが行われた。
(1次評価で5だった職員が2次評価で4に下がった20人を差し引いても、最上位ランクへ実質286人分の評価のかさ上げが行われたことになる。)
3.市長部局職員の勤勉手当についても勤務成績により決定されているが、4段階評価(上からS,A,B,C)のうち、標準以上(S,A,B)が約99.6%、標準未満(C)が約0.4%と最下位評価がほとんどいない「馴れ合い評価」となっている。ここでも上位2ランクのみに出現率(S:約5%、A:約12%程度)が設定されている。【表②参照】
4.教職員の勤務評定も、4ランク中、3番目のランクの「普通」評価だけで96.2%を占め、「普通」評価未満の「努力」が0.1%の5人しかおらず、横並び評価が蔓延している。【表③参照】
5.教職員の勤務評定は、給与等の処遇に反映されておらず、処遇面も横並び状態である。
(政令市では、20市中、9市が人事評価を給与等に反映させている。)
[私の意見・主張]
人事評価に極力、差を設けず、また下位評価を付けないという、馴れ合い的・横並び的状態が顕著であることが明らかになったが、特に、上位だけ相対評価的要素の出現率を取り入れ、実質的に人事評価・査定昇給をかさ上げしている点は問題。査定昇給の面から見れば、相対評価による2次評価でランクが上がった職員というのは、本来の能力や職務遂行度に見合った給与額以上の給与を市民の税金から受け取っていることになる。上位の出現率を止めるか、横浜市のように下位にも出現率を設定すべきと考えるが、上位にも下位にも出現率を設定すると、実質的には大阪府市のような相対評価制度と変わらないので、相対評価1本のみの評価体系に見直すべきである。
「下位区分の出現率設定は、職員が一定の成果を挙げても、標準未満の評価となってしまう可能性があり、モチベーション低下の懸念があるから設定しない(当局答弁)」と言うが、それは単純に挙げた成果が足りなかったということだけで過保護にも程がある。上位の出現率設定については、給与への反映にあたり、予算の範囲内で行う必要があるから仕方がないとも言われるが、ランク5や4が多すぎて予算がオーバーしてしまう場合ならいざ知らず、昨年度のようにランク5が少ない場合は予算オーバーの懸念は無いので、無理矢理ランク5をかさ上げして増やす必要は全くない。
↓【表①】 平成25年度 人事考課 成績区分分布率(2次評価調整後)
↓【表②】 平成25年度 勤勉手当の成績区分における分布率
↓【表③】 平成25年度 教職員勤務評定 評定分布率