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いせはら観光ボランティアガイド&ウォーク協会

大山道⑦ウォーク記録

2023.11.01 15:00

薄曇りですが暑くも寒くもない快適な10月最後の日、大山道ウォークの第7弾として本厚木駅から愛甲石田駅の大山道(矢倉沢往還)を歩きました。

本厚木駅に9時30分集合し、3班構成で出発し、先ずは

ハローウィンの集団とは思われないでしょう。

先ず最初は「最勝寺」と誰かが・・・。

本尊の阿弥陀三尊は若かりし頃の上杉謙信から貰い受けたとの云われがあるそうですが、その後、謙信は北条と戦った時にこの寺や付近を破壊したとの記録もあるそうです。三尊像を贈った事は忘れていたのでしょうか・・・。

次は熊野神社です。

冒頭の渡辺崋山が描いた「厚木六勝」の「熊林暁鴉」の題材となった神社との事です。

社殿の裏側にイチョウの巨木が有りますが、この熊麟暁鴉の絵には特に描かれていません。当時は周りが林で目立たなかったのかもしれません。あと鴉(カラス)と共に白い点があるのは他の鳥(鷺とか)でしょうか。

現在の県道601号から斜めに入った狭い道路脇に何基かの石造物と共に大きな馬頭観応の石碑が立っています。馬頭観音は馬の供養が一般的の様ですが、この碑は馬が暴れて亡くなった馬主の供養の為に建てられたとの事です。(人を供養するなら、他の碑の方が良い様な気もしますが・・・)

県道と合流して南下するとSONY厚木事業所の門の手前の道路の反対側に「きりんど橋」跡の碑があり、この付近で崋山は厚木六勝の「桐堤賞月」を描いたとも言われていますが、道路の反対側でもありここはスルーさせて頂きました。

平塚への街道にもなっている大山道(矢倉沢往還)であるバス通りを進み、途中から歩道に入り東名高速手前を右折して三嶋神社に到着です。

祭神は父の大国主命に国譲りを進言したと言われる事代主神(コトシロヌシノカミ)ですが、この神社は雨乞いの為、三嶋大社から勧請されたものとの事で大山祇神も祀られている様です。

この神社の御神木は榎(エノキ)で幹の周囲が一丈八尺(約5.5m)の巨木と江戸時代の相模風土記にも書かれています。太い枝が切られた痕が保護されていますが、この左側から細い枝が胴吹で出ていると思ったら、エノキではなく椋の木(ムクノキ)の様な葉の形をしてました。幹の窪みに鳥が種を落としたのが発芽しのかもしれません。

三嶋神社から大山道に戻って東名のガードを過ぎ長徳寺に着きました。

着いた途端に缶入りのお茶(熱いのと冷たいのと)の御接待を頂きました。又、住職さん自ら本殿の説明を詳しく行って頂きました。この辺では数少ない浄土真宗のお寺で親鸞さんの教義に準じたオープンな雰囲気でした。三嶋神社もこの長徳寺も墓碑のある駿河屋彦八の酒井村も今は厚木市ですが、風土記では伊勢原と同じ大住郡糟屋庄と書かれています。

長徳寺の門前が広々していたましたのでここで集合写真を撮りました。

相模川に沿って南下していた大山道はこの三叉路で西側に向きを90度変えます。

この三叉路には石造物が有りますが道幅が狭くクルマの往来が多いのでチラ見で通過しました。

大山を目の前にして歩くと橋があります。この橋は新宿橋で玉川に架けられています。昔は恩曽川だったのが戦時中の玉川大改修工事でこの上流で玉川と合流し今は玉川となって、この少し下流の戸沢橋の手前で相模川と合流します。対岸の双体道祖神も川の畔で・・・

東名高速の下をくぐってさらに進んで今は暗渠となった旧玉川の橋を渡ると路肩のゴミ集積場に道祖神と昭和6年にこの地域に起こった玉川水害の改修記念碑があります。

限られた路肩のスペースしか行き場が無いのが石造物とゴミ集積場というのも淋しい限りですが無くなるよりはマシかもしれません。

TV等で著名だった織田無道氏が受嘱だった円光寺を訪れました。ここの境内には鎌倉時代に活躍した愛甲季隆の供養塔(宝篋印塔)があります。相模風土記では愛甲季隆が生存中の建久三年(1192年)の年号が彫ってあるので別人の供養塔では?と書かれているが、その年号は円光寺創建の室町時代に彫られた偽作という説も有り、真偽は不明。

円光寺からの交差点を右折し2番目に左に曲がる道が旧大山道となります。

ここで日向道と大山道の分岐点となる所に道標が鎮座しています。日向石で風化が激しいですが不動尊の半跏趺坐の脚の痕跡が辛うじて残っています。石倉の腰掛不動と同じポーズだったと思われます。ここの道標は源七母とか作左衛門内とか女性が願主となっている珍しいものの様です。表面には観音講中と彫られていますが観音講は女性の講で地域によっては未だ残っているとの事です。

ここを進み、愛甲石田南口手前で解散と致しました。古い街道沿いですので各スポットにそれなりの歴史が刻まれている事の再発見ウォークだったと思います。

次回の大山道はいよいよ目的地の大山に近づきます。