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Baby教室シオ

提案『小さなものを扱う効果』

2023.12.04 00:00

親が子供の成長を感じるのは日々できることが一つずつ増えていき、言葉が増えコミュニケーションが取れるようになってくるなどの実感が得られた日々の瞬間からだと思います。しかし実際は年齢を重ねれば重ねる程子供達の身体や能力の成長度合いのスピードは低下していきます。最も成長著しいのはこの世に生を受けた生後30日と言われ、それから6歳までに徐々に成長のスピードが遅くなります。ということは身体発達に関すること特に大脳新皮質への刺激はなるべく早めに取組んでいた方が良いということになります。大脳新皮質に関係してくるのは以下の6つの取組みです。

① 手や指を使う力

② 歩く・走る・跳ぶなどに関係する運動能力

③ 言語能力

④ 文字や数字などを理解に繋がる視覚能力

⑤ 言葉や音楽を理解する聴覚能力

⑥ 触れたものを識別判断する触覚能力

これらの取組みの中で誕生直後から働きかけを行えるのは全てですが取分け手や指、そして皮膚感覚に関する刺激を与えることが優先になります。誕生直後の働きかけについて2023年3月13日『原始反射への働きかけ』や2021年5月17日『小さなものへの敏感期』で記してきましたのでそれらの記事も参照下さい。

小さなものを与え大脳新皮質への刺激を多く与える最良の時期は、生後10ヶ月以降の小さな物への関心が生まれ1歳半をピークに迎えるタイミングです。その間いかに充実した手や指の動きを促し脳育てと手先の器用さを効果的に進めるかが大切だと考えます。成長の度合いが低下する6歳までに自分自身の手を使いものに触れ、道具を操る経験を多く与えるべきと考え取組みの中に入れていますが、それでも不十分でご自宅での取組みが成長の鍵を握ります。しかし乳児期の口探索は小さなものの誤飲に繋がることもあるため十分な配慮を行い方時も目を話さない事が必須となります。誤飲が気になりすぎて進める事ができないお母様が一定数おられることも承知していますが、1日数分間目を話さず向き合う時間を設けている場合は必ず結果がついてきます。行動を起こすか否かはお母様方の選択に任せていますので強要するすることはしていません。この最良のタイミングで選択する事ができなければ口探索がなくなってから行うこともできます。この場合には小さなものへの関心が育っているかに左右されることも念頭において対応されて下さい。



それでは小さなものを扱った場合の効果は見ていきましょう。

1器用さの獲得

生後10ヶ月頃から小さな糸屑や埃、ほくろ等を見つけては指先摘んで取ろうとすることを行います。このような動きを続けることにより親指と人差し指は器用に連携して動く精度を上げていくことになります。1歳の誕生日を迎える頃にはなるべく異なる大きさ、硬柔、材質のものを摘む・掴む機会を与えることが望ましいと言えます。お母様の中には誤飲が怖いからとなるべく機会を与えない方がおられますが、そのような場合は食事の機会を活用してみましょう。1歳以降はとにかく小さなものを扱うことで多くの良質な刺激を与えることこそが脳を育てることになります。



2、集中力を鍛える

1歳以降は親指と人差し指でものをつまむ動作から中指を加えた3本の指で小さなものを摘む動作を上手に行うよう促していかなくてはなりません。扱うものの大きさや形、硬柔、材質などの異なるものを与えると集中して扱わなければなりません。乳児期から小さなものを扱わせることをスタートし、幼児期にかけて様々な道具を扱わせることで手先の器用さに加えて集中力も育ち左右の手の動きが異なる動作も難なくこなせる様になります。するとものづくりが楽しくなる傾向も生まれます。乳児期からの取組みをご自宅で実践しておられる生徒さんの多くが工作を楽しみにしているのは、手先の器用さを獲得し集中して楽しめているのは手先の働きかけによる賜物なのです。



3、忍耐力と我慢力の獲得

成長のピークを迎える1歳半までに多くのものを与えて指先から伝わる感覚を研ぎ澄ますまでに時間がかかります。最初は上手に扱うことができずに失敗してママに助けを求めることからスタートし、ものの扱いを大人が手本を見せて真似させる方向に導きつつ心の乱れそうな気持ちをグッと堪えて取組みを促すことが忍耐力と我慢力を育てることになります。「できない」と放り出しそうになる直前に成功体験に導くようアシストし、そのような場面を反復させて成功できるように導くのが必要になります。一度獲得した忍耐力や我慢力は強固であるためそう簡単に崩れることはありません。よってなるべく幼い頃にこの力を獲得させることはその後のあらゆる場面でこの忍耐力と我慢力が活かされるようになります。学習が進んでハイレベルな問題に直面した時にすぐに諦める場合に手先に器用さと照らし合わせると、そこには乳児期から幼少期にかけての小さなものへの働きかけの希薄さが見え隠れしています。とはいえ乳児期から1歳半には戻せないので物作りの経験を上げる事が必要になります。様々な結果が出てからの修正は時間も労力もかかりますから、できればこうなるであろうと信じつつ楽しい時間を持つことが私は親子共に幸せを実感できると考えていますし、そうなっている親子を見てきています。



4、観察眼の育ち

観察眼は小さなものを何度も扱い失敗し繰り返し挑戦することで小さな対象物を観察するようになります。ここで重要なのが色々な形状のものを準備し与える事です。失敗は成功のもとという諺がありますが、まさに多くの失敗と成功を繰り返すと子供達自身が初めて見るものをどのように扱うべきかと瞬時に判断し動作に移る事ができる様になります。ただじっと見ているだけでは思考には結びつきません。じっと見て何かを思い浮かべて行動を起こせるかが真の観察眼なのです。


今週水曜日2023年12月6日『シルバニア小物』のおもちゃ記事でいただいた小さなものを記事として取り上げますそちらも参考にされてください。