「科学」と「詩」のあいだ
2018.09.19 22:30
『おつきさま、こっちむいて』(片山 令子 文 / 片山 健 絵、福音館書店)
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ほそい ほそい おつきさま、
こっちむいて。
おなかが すいてるの?
ぼくと おんなじだね。
『おつきさま、こっちむいて』は、お月さまのある風景と、呼びかけの言葉が見ひらきになっている絵本。
あるときは、アイスクリームみたいにおいしそうで、あるときは、ずっとうしろをついてくる。
さまざまな表情をみせるお月さまに、男の子はいろんな思いを抱きます。
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地球から一番近い天体である月。
ヒトは、夜を照らすその明るさをよろこぶだけでなく、名月を愛でたり、孤独をいやされたり、物語を発想したりしてきました。
10才の長男は、月の写真を撮ることが趣味の一つになっています。
できた写真を見て「うん、この形は特にアイスクリームに見えるなあ」。
写真に絵を描き、遊んでいました。
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「科学」と「詩」のあいだ。
この絵本が、<見方>の種まきをしてくれたのかな、と思っています。
(松井/記)