人口減少社会における「提供価値」とは
私たちが住む北陸におけるデータです。
「富山県総人口の推移」(左図)と「総人口及び増減率(対前年)の推移」(右図)
事実、富山県では毎年約6,000人、石川県は約5,000人の人口減少が起きています。
また、富山県、石川県における平均年齢は各46.9歳、45.3歳で、毎年0.3%-0.6%の人口減少が起きています。
このような「人口減少社会」「高齢化社会」の地方都市の中で、いかにしてローカルマーケティングを行っていくのか?
従来の広告偏重モデルの集客方法は、人口が増えていた頃や、メディアの情報量が少なかった頃にな成果の見込める手法でしたが、
情報量の爆発的な増加、SNSや口コミマーケティングなどにより、いわゆる「広告刈り取りモデル」は機能しなくなってきています。
そんな中で、サービス提供者はいかにしてその価値を伝えていき、独自化を図っていく必要があるのでしょうか。
この命題は、顧問先にて最近頻繁に議論・検討される話題です。
例えば、「電動ドリルを売る」という目的がサービス提供者にあった場合、売るものはこの商品ですが、買い手は「ドリルで穴を開けられる」という機能(価値)に対価を支払います。
本来、この「価値」は作り手や、サービスの提供者がそのストーリーを語り、理解させることで価値を気付かせ、そこに対価が発生するはずなのですが、
「価格比較サイト」や「大手ポータルサイト」などでは画一的なフォーマットの中でしかその商品やサービスについて語ることができず、
「独自化」を図っていくことが難しくなります。
しかし、一方で、オウンドメディアの運用においては、webサイトを作ってみたものの、そこからの集客が弱く、「ほとんど見られていないサイト」が数多く存在するのも事実です。
※地方の場合、ここに「サイトを持っていない」「かなり昔に作られていて非常に見にくい」などの追加の課題が重なるわけですが。
話を戻すと、「価値の伝え方」に対して提供者側はもっともっと戦略的に考え、発信をしていくべきだと痛感します。
動画メディアが流行し、ユーチューバーなども多く出ていますが、「安易に動画」という発想はオススメできません。
動画=TVCMの延長線上にイメージされることが多いように思います。
もちろん、ローカルにおける、TVCMの威力は以前強く、動画も魅力的かつ重要なひとつの手法ではありますが、それも含めて、今一度「ブログ」の価値を見直すべきではないかと思っています。
本来webサイトは「自社で一番優秀な営業マン」であるべきですが、そのなかでも特にブログはフレキシブルにその人となり(お店となり)を表現できる重要なツールです。
「でも、ブログってなかなか続かないんだよね。。何度か挑戦してみたんだけどさ」
!!
だからこそ、価値が有るのです。
多くのサービス提供者や一般個人がブログにトライしてきました。
しかし、続かないことも多い。それは、「気合を入れすぎている」ことと、発信する側が自らの持つ情報や技術に対して「価値を見いだせていないこと」にあります。
「こんな情報発信しても、役に立つのかな?」「こんなことみんな知ってるんじゃない?」などの言葉をクライアントからもよく伺いますが、そのどれもが「プロとしては知ってて当たり前かもしれないが、一般素人にはとてつもなく知りたい情報」だったりします。
例えば、クロールで息継ぎがうまくできないことが悩みだったりするとしましょう。
現に私も左側は息継ぎできますが、右は苦手です(余談ですが、、、)
そんな時に「クロール 息継ぎ 苦手」とか検索したとします。
↓こんな記事にヒントを貰えたりします。
まあ、これはほんの一例ですが、もしそういう悩みに対して定期的にアドバイスをしてくれていたり、
心理的にはとても価値を感じ、その提供者に対する好感度もUPします。
このような「心理的価値」のほかにも「機能的な価値」「経済的な価値」などが製品・サービスの提供価値の例です。
私たちのサポートさせていただくクライアントにはサービス業関連のお客様も多く、どうやってこの「心理的価値」を創って、買い手に伝えていくか、の設計が重要になってきます。
そのなかでブログの書き方や、SNSの活用方法、機能ごとの使い分けなどをアドバイスさせていただくことも多くあります。
人口減少、限られた商圏内でのビジネス、という前提の中で、ストックされる情報、継続的な筋トレ的マーケティングであるブログの価値を、今一度考えなおしてみることも重要ではないでしょうか。
貴社にもきっと、眠ったままの企業ブログアカウントのひとつやふたつはあると思いますので。