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美的なるものを求めて Pursuit For Eternal Beauty

平安の美の世界 「京都 大原 三千院 門跡」(8世紀頃)

2018.09.20 15:40

(「美の巨人たち」テレビ東京放映番組<2018.7 .28>主な解説より引用)

 三千院(さんぜんいん)は、天台宗の寺院。三千院門跡とも称する。開基は最澄。 かつては貴人や仏道修行者の隠棲の地として知られた場所で、三門跡寺院の1つに数えられる。

 まず眼を見張るのが、三千院入口の「御殿門」と周囲の石垣の積み上げ。安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した、石積みのプロ集団「穴太衆」(あのうしゅう)が関わったとされ、匠の技が光る石垣が見事である。

 境内に入ると、宸殿、客殿などの建物のほか、12世紀に建てられた「往生極楽院」(国・重要文化財 平安時代後期)があり、内部には国宝の「阿弥陀三尊像」を安置している。

三千院は、池泉鑑賞式の庭園に配置されている池、石、緑といった自然の美と、こうした建築物との融合が見事であることからも、人気のある観光名所のひとつとなっている。なお、「三千院」とは、仏教で説く「一念三千」から取られたもの。

 「御懴法講(おせんぼうこう)」は、保元2年(1157年)後白河天皇が初めて行った宮中仏事で、法華経を読誦し、悪行を懺悔し、罪障消滅を祈る法要であり、今でも毎年5月30日に開催されている。

(番組を視聴しての私の感想綴り)

最も印象的だったのは、阿弥陀三尊像の天井に描かれていたであろう、コンピューター解析による、天井画を復元した絵画である。

「平安の美の世界」は、ここでのアートな世界と美的描写をさす。(以前に取り上げられた「半跏思惟像」が、やはり最新のCG解析技術により、色彩を復元した画像が紹介されたことを思い出した)

 そこには、天空を現す絵が描かれており、極楽浄土を願う当時の人々にとっては、時代の厭世思想もあってか、救いのユートピアの地と映ったであろうか・・・。ちなみに、天台宗からの流れを汲む「法華経」では、この現世にこそ「衆生所遊楽」ともいうべき、最高の境涯(仏界)があると説いている。この地が比叡山から近いことも手伝って、最澄以来の歴史的な変遷があったことも史実である。

話は変わるが、昭和の時代に歌謡曲としてヒットした、「女ひとり」は、永六輔作詞、いずみたく作曲、デューク・エイセスが歌った、京都のご当地ソングである。

昭和40(1965)年に、東芝レコードからリリースされた曲で、「京都 大原 三千院 恋に疲れた女がひとり・・・」という、三千院の歌詞が出てくる。ちなみにこの曲の歌詞には、三千院のほか、高山寺、大覚寺の三つの寺院が登場する。

紅葉の季節を迎える京都・秋の風情に、しばし想いを馳せた・・・

写真 : 「往生極楽院」の天井に、復元CG絵画を重ねた合成図。

「美の巨人たち」テレビ東京放映番組<2018.7.28>より転載。同視聴者センターより許諾済。