韓日うさぎ獣医学会
2023年10月22日(日曜日)に韓国のソウルにて、ウサギ学会に参加しました。
最初に主催のイ・ミンウ氏(アニマルケア代表)より、韓日うさぎ市場の違いと類似性についてご講演がありました。
韓国ではもともとウサギはおらず、1910年以前にはウサギの飼育はされていなかったと考えられているそうです。1910年代よりJAPANESE WHITEが日本から食用として輸入され、1960~70年にはウサギの毛皮が人気だったようです。1990年代にアメリカよりペットのウサギが輸入されました。これは日本とほぼ同じ時期だそうです。
日本では、ウサギは昔から馴染み深い動物で、昔話にもよく登場しますね。私は因幡の白兎のお話が好きです。
ウサギの飼育頭数(2000-2023年)は韓国では2012年をピークに上昇しましたが、その後減少し、日本ではどんどん増えているようですね。
動物病院での診察においても、ウサギの数は年々増えていったのを覚えています。ただ、患者様の中には小学校の教員の方も何人かおられ、小学校でのウサギの飼育は数が減っているというのを聞いたことがあります。
続いて韓国で最もウサギを診察しているイム·ジェギュ獣医師(RAY動物病院院長)のご講演を聞きました。ウサギの心臓エコー検査に関してです。
ウサギの心疾患の発見は初期ではかなり難しく、今回のセミナーでは大変勉強になりました。検査では、超音波機器で心臓の内部構造を見るのですが、心臓の大きさが犬や猫に比べ大変小さく、性能のよい機械で適格に当てることができなければ、なかなか評価が難しいです。
最後にJCRA代表理事の霍野晋吉先生による、ウサギの不正咬合と斜頸に関するご講演を聞きました。不正咬合や斜頸はとても多い症状です。今回、CTやMRIを使った診断など、より一層理解を深めることができました。
霍野晋吉先生とは、学会後の交流会にて隣の席に座らせていただき、大変貴重なお話を聞かせていただくことができました。私は獣医師になったときから霍野先生の書かれた本を読んで勉強していましたのてご本人とお会いして、さらにお話ができたことを大変嬉しく思います。ありがとうございました。
また、韓国のイム·ジェギュ先生にも直接お話を聞くことができました。
先生の病院では、飼い主様が入院している動物の面会中にリラックスできるベッド(飼い主様用)も用意されていることを聞きとても驚きました。人や動物が安心していられる環境が整っていて、日本でも取り入れられるといいと思います。
ほかにお伺いしたお話は、ウサギのワクチンに関してです。日本ではウサギへのワクチン接種は一般的ではありませんが、韓国では2種類のワクチンを打つようです。一つ目は狂犬病、もう一つはウサギウイルス性出血熱(RHDV)です。狂犬病ワクチンは哺乳類にはすべてのペットに打つことが一般的だと聞きました。
私自身、韓国に行ったのが初めてでしたが、韓国の街並みやごはんなどもとても好きでした。
とても貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。