『玉、磨かざれば光らず』
毎日届く様々なML。
今日も届いたMLの一つ。
「****ビジネススクール」のご案内~
ビジネス基礎力向上とマネジメント能力強化を
サポートします~ と書かれています。
どんな内容か見てみようと軽い気持ちで、URLを
クリック。
すると、「ビジネス基礎力」の名前の下に様々な
専門カリキュラムのリンク箱。
■考える力
発想力、企画力、数字力、情報分析力、読む力、論理構築力
■伝える力
説得・交渉力、プレゼン力、図解表現力、文章力、話す力、影響力
■やり抜く力
段取り力、問題発見・解決力、判断力、ストレス対処力
ちょっと見て、閉じました。お腹いっぱいですね。
いやはやこれだけの専門的知識を誰が勉強するのでしょう。
IT化、グローバル化の進展で社会が複雑化し、
不確実性が増す現代。
ビジネスパーソンに求められるレベルは高まるばかり・・・
そのため、実務のスキルアップを図り、仕事をより
クリエイティブなものにしたいと考える方がたくさんいます。
けれども悲しいかな、本質に触れないまま問題解決を
行っても、目先のスキルやテクニックではすぐに陳腐化し
世の中から飽きられてしまいます。
そしてまた新しいノウハウを求めても、またその繰り返し。
せっかく苦労して身につけた「専門的な知識」なのに・・
報われない努力(*_*)
そこで、売れるのがあの本。
そう、ハウツー本。
忙しい仕事と生活の中で、いかにして「勉強」をして、
新しい知識を身につけるか!
悩める真面目なビジネスパーソンをターゲットにして、
様々なハウツー本が巷に溢れてます。
本を開けば、その時はいかにもヒントになりそうなことが
書かれていても、それはすぐみんなが知ることになる。
そして本で読んだこと、セミナーに行って聞いたことは、
大脳皮質に一時記憶されるだけ。
その知識もすぐに陳腐化・・・いつまで繰り返すのか。
『「あれは器量人だ」という言葉が通俗用語に
なっておりますが、これは人間の具体的存在を
器という字で表現しているもので、人間の大きさ、
深さを量る言葉として用いている言葉であります。
あれは頭が良い、よく出来る。
けれども人を容れない。
人を用いる量がない。深みがない。
などといわれる人があります。
度量、器量ということが良く考えられなければ
ならないわけです。』
安岡正篤先生の言葉を思い出します。
到来しつつある知識社会においては、
単に「専門的な知識」を持っているだけでは、
決して活躍できないと言われています。
単なる知識をいかに知恵へと変えてゆけるか。
そのためには、人間の器を広げること、磨くこと
が大事。
『人人(にんにん)皆、道(みち)を得ることは
衆縁(しゅえん)による。
人人自(おのずか)ら利なれども、
道を行(ぎょう)ずることは衆力(しゅりき)を
以(も)てするが故に、今心を一つにして
参究尋覓(さんきゅうじんみゃく)すべし。
玉(たま)は琢磨(たくま)によりて器(うつわ)
となる、人は錬磨によりて仁となる。
何(いずれ)の玉かはじめより光有る。
誰人(たれびと)か初心より利なる。
必ずみがくべし、すべからく練るべし。
自ら卑下して学道(がくどう)をゆるくする事
なかれ。』
(『正法眼蔵随聞記』五ノ五)
『玉、磨かざれば光らず』(道元禅師の言葉)
の大切さを思います。