『太陽の黒点』
過去24年間で最も巨大な太陽黒点群が出現した
とのニュース。
「フレア」と呼ばれる大きな爆発現象が6回発生し、
地球上の航行システムや無線通信が断続的に
混乱しているそうです。
独立行政法人情報通信研究機構によれば、
日本時間10月22日に中規模な太陽面爆発の発生
を確認。
また地磁気観測所では10時30分頃に顕著な
地磁気変化を観測しています。
そもそも太陽黒点とは何でしょうか?
保護眼鏡などを通して太陽を見ると、太陽表面には小さな
黒い斑点があるのを見ることができます。
これが太陽黒点。
太陽の表面は6000℃という超高温ですが、黒点は4000℃
程度だといいます。
その分だけ放つ光が弱いので、総体的に黒い点として見える
ことから太陽黒点と呼ばれるそうです。
太陽の活動は、地球に大きな影響を及ぼします。
最大の影響は気候に対するもので、太陽活動が弱く
なると気候が寒冷化します。
1645年から1715年にかけての70年間は、著しく太陽
の活動が低下した時期(マウンダー極小期)。
この時期、地球全体で平均気温が0.2℃下がりました。
たった0.2℃といっても、地域的には大きな影響が出て
います。
ヨーロッパ・アルプスでは氷河が前進して村が飲み込まれ、
ロンドンでは冬季にテムズ川が凍結、人が歩けるほどの
厚みに氷が張ったといいます。
またこれまで、国際宇宙ステーション(ISS)にいる宇宙
飛行士たちにリスクは及んでいないと聞きます。
今後、強力な太陽風が地球を直撃すれば、ネットは
おろか電化製品を使うことすら出来なくなってしまう
可能性があると言われています。
尚、太陽の黒点活動については昨年辺りから予想
より低下しており、これは今後数十年間太陽活動が
低下する時期に入るのではないかと予測する
科学者もいます。
太陽活動の低下で太陽の磁場が弱くなると、それまで
太陽系に入って来れなかった銀河からの宇宙線が地球
に届き、より多くの雲が発生するように。
雲は太陽光線を宇宙に反射するから、その分地球は
寒冷化するもので、太陽活動の低下は気候の寒冷化を
意味するという説です。
過去60年以上、温暖化傾向が続いたのは事実。
では今後どうなるのでしょう?
人間活動による温室効果ガス排出が勝って温暖化する
のか、それとも太陽活動の低下で寒冷化するのか?
あるいは両方が絡み合うことで全く別の思わぬ結果を
招来するのか?
現時点では、なにも分かっていません。
松浦晋也氏(科学ジャーナリスト)の言葉に頷きます。
「私達にできるのは、たゆまず継続的に観測を続けて、
データを積み上げていくことだけだ。データを蓄積して
いけば、将来この問題にはっきりした回答を出すことが
できるかもしれない。」