『我れ以外、みな我が師』
2015.08.29 04:30
「人生、出会うべき人には必ず出会う。
しかも、一瞬遅からず、早からず。
しかし、内に求める心なくば、
眼前にその人ありといえども
縁は生じず。」
森信三先生は日本の哲学者・教育者。
「人生二度なし」の真理を根本信条とし、
「全一学」という学問を提唱しました。
自分から進んで求める心がなければ、
目の前に出会うべき人がいても、関わり
は生まれないもの。
自分の人生を決めるような、生涯の師と
呼べるような人と人間は必ず会えるが、
自分から進んで探す心が大切だとの意。
この師という言葉を聞いて、
「我以外皆我師」という言葉を思い出しました。
『宮本武蔵』『新・平家物語』『三国志』などの
作品で有名な作家、吉川英治氏の言葉。
吉川英治「新書太閤記」の大坂築城という章に、
こう書かれています。
”秀吉は、卑賤に生れ、逆境に育ち、特に学問
する時とか教養に暮らす年時などは持たなかった
ために、常に、接する者から必ず何か一事を
学び取るということを忘れない習性を備えていた。
だから、彼が学んだ人は、ひとり信長ばかりでない。
どんな凡下な者でも、つまらなそうな人間からでも、
彼は、その者から、自分より勝る何事かを見出して
、そしてそれをわがものとして来た。
―我れ以外みな我が師也。と、しているのだった。”
(吉川英治)