『秋の日の布施弁天様』
秋晴れの心地よい日、自転車を漕いで
布施弁天様へ。
紅龍山布施弁天東海寺が正式な名称。
利根川の雄大な流れ、あけぼの山公園
や広大な田園風景に囲まれた1200年以
上の歴史を持ち、関東三大弁天の一つ
でもあります。
”大同2年(807年)7月7日、大雷雨とともに
赤い龍が現れ手にもった土塊を捧げて島
を造り、その時から島の東の山麗から夜な
夜な不思議な光が射しました。
ある時、天女が村人の夢に現れて、
「我は、但馬の国朝来郡筒江の郷(現
兵庫県朝来郡和田山町)から参った、我を
探し祭りなさい」と告げました。
のちに弘法大師空海が関東地域に巡錫の
おり、この話を聞き布施に参り「この像は、
私が但馬の国で願をかけ、彫刻し奉った
弁財天である」と感嘆せられました。
そこで大師は寺を造り、山を紅龍山とよび、
この村を天女の利益にあやかり「布施」と
名付け、京に帰り親交の深い嵯峨天皇に
事の次第を申し上げました。
弘仁14年(823年)に入り、その話にいたく
感動された嵯峨天皇は田畑を寄付され、
堂塔伽藍を建立され勅願所(天皇が天災
地変や疫病流行などを祈願せしめられた
寺社)に指定しました。
本堂の向拝の回柱に菊の紋章があるのは
、そのためです。”
(布施弁天について)
本堂の前、お賽銭を捧げ、目をつむり
両手を合わせ合掌し頭を下げていたと
ころ、突然にお経を唱えるご住職の声
・・・
本堂にある弁天様(弘法大師作の秘仏
の前仏)のお膝元で、七五三のお祝いに
来ていたご家族が、子どものこれから
の健やかな成長を祈願している姿が
見られました。
御祝いの着物を着て、ご両親としっかり手を
つなぎ境内を歩く男の子と女の子の姿を
見つつ、爽やかな秋空も相まって、とても
心地よい気持ちに。
帰路に寄ったあけぼの山公園では、秋桜が
たくさん咲いていました。