『学びの原動力となるもの』
2015.10.19 13:49
『専門家とは、非常に狭い範囲で、生じうる間違いのすべてを経験した人だ』
(ニールス・ボーア博士)
あなたは、自分のプライドを守るために失敗を無視し、なかったことに
するでしょうか?
それとも、間違いを調べ、どこで失敗したかを学ぼうとするでしょうか?
ミシガン州立大学のジェイソン・モーザー博士の「間違いから適切に学ぶ」研究
は、興味深いものです。
間違いをおかしたとき、人により二つの反応があり、脳波計(EEG)によって
検出できることがわかりました。
初めの反応は、失敗した後50ミリ秒ほどで前帯状皮質に生じる「エラー関連陰性
電位(ERN)」の信号。(前帯状皮質は、エラー検出、課題の予測、動機付け、
情動反応の調節といった機能と関係)
次の反応は、「エラー陽性電位(Pe)」の信号で、失敗した後100から500ミリ秒で
生じる、もっと意識的なもの。間違いに注意を払い、それを検討するときに
現れます。
そして近年の研究で、人間はERNが大きく、Peがより一貫している時に、
「適切に学べる」ことがわかったそうです。
間違いを「ぶざまな失敗」とみなし、与えられた課題に対して自分に十分な能力がない
証拠だと考える。
一方、成長志向の姿勢をもつ人は、間違いを知識を得るために必要な前段階、
学びの原動力ととらえます。
日々の出来事に対するふだんからの心構えが、自分を成長させていくんですね。