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”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”

『成長を通して得られる幸せ』

2015.11.04 09:00

”「生きることの価値」は「死」と対峙した者にしか
知り得ない
。”












以前観た日本映画「アントキノイノチ」

原作は、もがき苦しみながらも成長する若者の姿
と、「生と死」というテーマを真摯に描き話題を集めた
「アントキノイノチ」(さだまさし著)

 

”主人公・永島杏平は高校3年の秋に精神を病んで、
高校を退学してしまう。

原因となったのは同級生の松井新太郎。他人から
決して見つからないように計算高くライバルたちを
陥れる性悪な男。

杏平はこの男の殺害未遂から心を完全に病んで
しまい、しばらく引きこもりの生活になってしまう。

そして人生を出直すために、父親の口利きで遺品
整理業‘CO−OPERS’の見習い社員となる。

故人と遺族の為に異臭漂う現場も厭わず誠実に
立ち向かう佐伯さんという先輩や、仕事帰りの居酒屋
で働く同い年の女性ゆきちゃんと過ごす中、次第に
心が癒されて行く。


他人の心の弱さが振り回す刃に傷つき、
自らの心の弱さが持つ内なる針に心を痛める。
過酷を抱え持つ現実。 

若き日にそんな経験を積み重ねて初めて、
生きることの貴さに気付く。















杏平は、佐相さんに付いて仕事をするが、
佐相さんはいつも「仏さんを助けに行く」と言って
現場に向かう。

誰にも看取られることなく亡くなった方々が、
そのまま残したモノを片付ける。見られたくない
ものは処分し、家族には良いところを残しすように。


仕事に打ち込む佐相らの姿に次第に心癒されて
いく杏平。

そして出会ったのが居酒屋で働くゆきちゃん。
ゆきちゃんもまた壮絶な過去を背負っていた。

しかしある日、ゆきは衝撃的な過去を杏平に告げ、
姿を消してしまう。
心に深い傷を抱えた2人はどこへ辿りつくのか。”


死ぬことが生きる状態を見つめさせる中、次第に
生きることを見出していく主人公。
そして人間は、生きたようにしか死んでいけない
ことをわかりだす。

原作者のさだまさしさんは、理由なき殺人という
暗澹たる気分になる悲しい事件が、この作品執筆
のきっかけだといいます。



しかし、さださんは人間の持つ暗い側面を認め
ながらも、悪を為した人間もいつかは必ず改心
するであろう
と、どこまでも人間という生きものを
信じ続ける未来への希望を持たせる描き方
をして
います。

さて少し前にNHKで放映された、さださんの自伝
的小説
をもとにしたドラマ「ちゃんぽん食べたか」

照隅会のゲスト講師にお出でいただいた渡辺俊幸
先生が番組音楽を担当
されたこともあり、家族で
見たところこれが大当たりの作品で、毎週土曜が
すっかり楽しみ
になってしまったほどでした。

















”舞台は昭和40年代初頭。
プロのバイオリニストを目指して上京した佐野雅志
は、バイオリンのレッスンに励む傍ら、菊田保夫、
樫山満らと高校生活を送っていた。

時にバンドを組んでコンテストに参加したり、得意
の落語で周囲の人々を笑わせたりと楽しい日々を
過ごす佐野。

しかし、自分の才能に限界を感じ、やがてバイオリン
をやめてしまう……。”


高校時代の楽しさ
と、何者でもない自分の将来に
対する不安
がおおらかなムードで描かれた、
懐かしいタッチの青春ドラマ。

誰もが若き日に抱く複雑な感情が、このドラマで
無数にちりばめられていました。

子どものころに描いた夢の一つ一つを、年齢を
重ねる度に消してゆくというのはとても切ない
















 


しかしそれは、人間の通過儀礼のようなものであり、
多くの人が経験していくこと。

「アントキノイノチ」「ちゃんぽん食べたか」
それに以前観た映画風に立つライオン

さださんの描いたこれらの作品は、さまざまな人
に囲まれ、少年から青年、そして大人へと成長

していく主人公の心の葛藤と逞しさが見えます。

アニメの主人公が体験する「新しい技を身につけた
」「初めはとても適わなかった強敵に勝った」等と
いう成長ではなく、(但し、ワンピースは除きます)

真摯さや責任感を基に、周囲の人からの信頼を
得て、仕事を通して世の中に貢献
していくという
真の成長

そして自分の生を終えるとき、「あぁ、この人生を
生きてよかった」
と思えること、それこそが成長を
通して得られる幸せ
のように思います。